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アイディアをクリエイティブで実現するには?バスキュールと探る「企画の裏側」

今や広告施策に必要不可欠! みんなが集まる「場」をつくるには?


 バスキュールの事例を活用して「Webクリエイティブの発想と具体策への落とし込み」を制作者視点で紹介する本連載。第3回目は自走するコンテンツに必要不可欠な、人々が集まる「場」の提供がテーマ。「場」とは一体何か? ニコニコ生放送、PS4、Webブラウザなど様々な事例から考えてみましょう。

「場」を作るのも広告のお仕事

 TwitterやFacebook、YouTubeやニコニコ動画等のパーソナルに活用できるメディアの発展によって、ユーザー自身が「場」をもつことができるようになりました。そのため現在では、広告施策を考える際にはコンテンツを作るだけではなく、人々が集まる「場」も設計する必要があります。最近の傾向としては、提供されるデジタルキャンペーンが自分も参加でき、つながることができる場かどうかがユーザーに判断されます。

 その場に参加することで得られるものがデジタルならではの、自分にとって価値がある体験にまで昇華されているか。ソーシャルでつながる友だちに自慢したくなるような体験であること。シェアすることが単純に広告活動に乗っかっているのではなく、発信することで自分が能動的でポジティブな印象や、イケてるという評価をもらえるかどうか。ユーザーはそのような観点で判断をします。参加者にどういった感情をもたせ、どういった行動を起こさせたいかを考える必要があります。

 このような側面があるため、デジタルの世界では、自分の発信に対してレスポンスをくれるTwitterアカウントや、ニコニコ動画で書き込みコメントを取り上げて、リアルタイムに番組内で紹介してくれる生放送タレントの方が、有名タレント起用の広告よりもユーザーのアクションが活発で盛り上がりやすいです。低予算で荒い作りであってもユーザーにとってリアルな驚きや発見がある、そして、誰かに伝えたくなるエモーションが刺激される映像へのアクセス数が増えているのです。

ユーザーによる、ユーザーのための、ユーザーの「場」

 デジタルが日常のツールとなった今、提供されている場の使い方をユーザー自身が創出することで、ムーブメントが生まれる時代になっています。つまり、場を決めるのは提供側の意図ではなく、ユーザー側の行動の結果だと感じさせることが重要です。そのためには、ユーザーの「リアル」なエモーションにストレートにつながる価値が提供されているかどうか。その上で、ユーザー自身が行動を起こすトリガーがつながっていることで、ユーザーがユーザーを連れてくる自走するコンテンツとしてのユーザーが集まる場になります。

 とはいえ、ユーザーにすべてを自由に委ねても、なかなか成功することはできません。ユーザーが求めるものに寄り添った形をとりながらも、企業が望むゴールへ持ち込むことができるルールやフレームを上手に設定して、ユーザーをナビゲートしてあげることが必要になっています。

 そのためには、「どういったユーザーに最終的に何をしてほしいか」という明確な企業側のターゲッティングが必要です。また、今まで以上にプロフェッショナルクリエイターの存在が重要になると考えています。ここで言うクリエイターに求められる能力とは、オーディエンスの心理や行動の視点から「企業側の意図をどのようなユーザーの求める体験価値に変換するか」を考え、コンテンツ力をさらに高めるストーリーを描けることです。

 そして、もう一つのキーワードは「ドキドキを提供する」ということ。手に汗握るような体験、目が離せなくなるリアルなライブ感。デジタル・ソーシャル・ネットワークという日常の中で、いかにユーザーが求める魅力的な非日常な体験をもたらせられるか。ユーザーが求めているのは、いい意味で期待を裏切る「ユーザーに対する企業の本気への期待」なのかもしれません。

 次のページからは、バスキュールが担当した事例を通じて、ユーザーが主役になれる場づくりについてご紹介します。

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この記事の著者

鳥居 匠(トリイ ショウ)

(株)バスキュール プロデューサー
消費者参加型商品開発の企画や嗜好性によるユーザーコミュニケーション設計、ストラテジーコンサルタント、ウェブプランナー等を経て現職に至る。コーポレートやIR系サイトからブランディングやキャンペーン・プロモーション系まで幅広く担当。ユーザーとクライアントとクリエイターをつないで、アナロ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

西村 真里子(ニシムラ マリコ)

元:(株)バスキュール プロデューサー 現:(株)HEART CATCH代表
IBMでエンジニアとしてWebソリューションスキルを蓄え(特許取得)、AdobeでFlashなどのWeb製品マーケティングマネージャーを経て現職に至る。プロデュースプロジェクトは次世代マス・リアルタイム エンターテインメントの可能性を探るべ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/10/24 10:39 https://markezine.jp/article/detail/21082

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