共同運営メディア「Campanella」が生まれたワケ
── こんにちは。アサヒビールさんと日経BP社の日経BPビジョナリー経営研究所さんが共同で立ち上げられた「Campanella(カンパネラ)」のお話を伺いにきました。
馬場、瀬川:ありがとうございます!
── メディアの成り立ちから、伺ってもよいですか?
馬場:はい。「Campanella」は、アサヒビールと日経BPが共同運営するサイトで、私はアサヒビール側の運営を担当しております。
きっかけは、2013年4月に社内で立ち上がった「デジタルコミュニケーション戦略室」です(現在の組織名は「デジタル戦略部」)。簡単に説明すると「インターネットメディアを使った新しいこと」をする部署ですが、当時は「Campanella」のようなメディアを立ち上げるアイディアなどありませんでした。
私はもともと、量販店さん向けの営業を担当していました。当然、商品を売ることが仕事なのですが、商品の良さよりもっと伝えたいことがあった。それで、いまの部署に異動願いを出したのです。
── 伝えたかったこと、とは?
馬場:少子高齢化などにより、飲酒量そのものが減っていますよね。でも、お酒文化そのものを浸透したい、という思いがあったんです。でもアサヒビールのホームページでお酒のことを語っても宣伝っぽくなってしまう。おこがましいですが、ビールメーカーとして、お酒文化の普及には使命感がありました。
── とても強い思いがあったのですね。日経BPさん側にも、今回の取組の背景を伺いたいです。これは、日本初の事例ではないでしょうか?
瀬川:少なくとも、日経BPとしては初めての試みですね。私が所属する日経BPビジョナリー経営研究所がプロジェクトを担当しています。事業会社と出版社が共同運営するという形は、おそらく日本でも初めてだと思います。きっかけは、私の興味関心と重なったことですね。
私は働き方についても研究していて、世代間でコミュニケーションのあり方に違いがあると感じていました。例えば、若い方々は先輩や同僚とあまり飲みに行かないけど、シニア層は、飲みを通じて仕事を円滑に進めている側面もある。業績のいい会社って、飲みニケーションも多かったりするんですよ。
── そうなんですか!
瀬川:お酒もコミュニケーションも、ビジネスパーソンには大事なもの。なのに、例えばビジネス誌では、業界や仕事の記事ばかりでオシャレなバーは紹介されていない。同じ人間なのに、ONとOFFの情報を分ける必要があるのかな、と思っていたんです。そんなとき、アサヒビールさんが新メディアを模索しているというお話を聴きました。お互いの興味や問題意識が合致して、今回の形に至りました。