ビールメーカーならではの持ちネタからコンテンツを企画

── お互いにとって、良いご縁だったのですね。共同運営とのことですが、どのように役割分担されているのですか?
馬場:月に1度の編集会議で、制作するコンテンツを決めます。記事の企画は日経BPさん側が考えて下さるのですが、実際の取材などには私どもも協力します。共同運営なので、制作費は両者で折半しています。
瀬川:記事は週に6本程度、月に20~30本Upします。他のインターネットメディアさんに比べ、ボリュームは少ないかもしれません。
コアユーザーは、30代から50代のビジネスパーソンです。単なる飲食店紹介だと他にたくさんサイトがありますから(笑)、私どもはお酒の新しい楽しみ方を発信できたらと思っています。
── お酒の楽しみ方! それは是非、知りたいですね。
瀬川:そうでしょう! 最近の20代~30代の方は「家飲み」といって、自宅でお酒を楽しむそうです。それも新しい楽しみ方なのかもしれませんが、外には外で楽しみもある。アサヒビールさんの社内には、そんなコンテンツのタネになる話がたくさんあるんですよ。
── そうですか。アサヒビールさんに伺いたいのですが、メディア立ち上げはまだ日本でも新しい取組ですよね。社内をどう説得されましたか。
馬場:発案から承認まで5か月かかりました。新しい取組なので、少し時間がかかりましたね。でも事前に、日経BPさんとイメージを共有させて頂き、やる気になって下さっていた。日経BPさんとしても初めての取組だとのことで、このチャンスを是非モノにしたい、と説得しました。

瀬川:広告記事でも、タイアップ記事でもない。また機内誌のように、クライアントから「制作を委託される」形でもない。日経BPとしてもはじめての取組です。
でも、お陰で面白いですよ。アサヒビールさんからも企画提案を頂くのですが、「お酒の作り手」目線での企画なんです。それに我々側の見方も合わせて、今までにない視点の企画に仕上げています。
── これまでのメディアでは、得難かった視点ですね。
瀬川:そうなんです。例えば「Campanella」には、ニッカウヰスキーの蒸溜所紹介の記事があります。アサヒビールさんのアテンドで取材にお邪魔したのですが、メーカーならではのマニアック情報がどんどん出てくる(笑)。旅行雑誌の紹介記事より、一歩玄人目線になっています。
あと、個人的に好きなのは「野球場シリーズ」。アサヒビールの方々は、ビールを飲むために野球場に行くらしいんです。どの球場にオシャレなバーがあるのかなど、野球場のビール事情を紹介しています。
馬場:やっぱり野外で飲むビールは美味しいですよ!