目指すは「サードプレイスな立ち位置」
── なんだか楽しそうですねえ…。読者に人気のコンテンツを教えてください。
瀬川:「AB会議(アルコールブレスト会議)」シリーズが人気ですね。アルコールを飲みながら会議をしたらどうなるか、という実験企画です(笑)。5回シリーズで、実際にアサヒビールさんの社員の方にお酒を飲んで頂き、ディスカッションをして頂きました。あ、もちろん業務時間外です!
馬場:メーカーが書くと宣伝っぽくなる情報も、プロにまとめて頂くと浸透しやすいんですよ。読者アンケートでも、このサイトを通じて「お酒に対する興味」が上がった、という実績が出ています。そして「アサヒビールに対する好感度」も上がっているようです!

── それは良かったですね! 2014年7月にサイトをオープンして半年近く経ちましたが、いま感じている課題はありますか。
馬場:閲覧数やユーザー数など、目標にしていた数値は達成できました。これらの数値をさらに伸ばしつつ、「Campanellaならでは」のコンテンツも作っていきたいですね。
瀬川:この半年で分かったのは、読者の方はオンとオフの切替が上手いということですね。サイトを立ち上げた当初は、朝や昼に、お酒の記事を配信して良いのか、という迷いがあったんですよ。酒場の紹介やオススメのおつまみとか……(笑)。
でも皆さん、普通に読んで下さる。頭のなかで、オンとオフを上手に切り替えていらっしゃるんだろうと思います。クレームも一切ありません。これからの課題は「コンテンツのアルコール度数」をどこまで上げるか、ですね。
── コンテンツにもアルコール度数があるんですか?!
瀬川:そうなんですよ。企画会議のとき、「度数1」とか「度数4」とか決めるんです。ビジネスよりのサッパリした企画は度数が低く、飲んべえ向きの企画は度数が上がります。度数を上げすぎると新規の読者が入りづらくなりますが、度数が低いと「Campanella」の色が出づらい。どこまで上げるのがよいのか、見極めどころです。
あとは、ユーザー分析もしたいですね。サイトを見たあとに本当に酒場に行っているのかなど、リアルなアクションや属性を知りたい。
── ありがとうございます。今後の目標を教えてください。
馬場:「Campanella」というプラットフォームが出来て、読者や消費者とのつながりが生まれました。今度はイベントなどを通じて、それをもっとリアルで強くしたいです。他社との連携も含め、もっと大きな取組にしたい。
瀬川:雑誌や新聞などの紙メディアは、書き手の興味に重きが置かれたメディアです。一方Webは、消費者の興味に重きが置かれている点で面白いですが、情報の荒さも目立ちます。私たちは、既存の紙メディアでもない、Webでもない「サードプレイスな立ち位置」を目指したい。書き手偏重型でもなく、かといって消費者の意見ばかりでも偏りはある。その中間くらいで、上質な情報をやりとりできる場があれば、と考えます。