注目が高まりつつある“インハウスマーケティング”
データドリブンなマーケティングの重要性が増すにつれて、インハウスマーケティングへの注目が高まっている。インハウスマーケティングとは、簡単に言うと事業会社の内部にエージェンシー機能を持つマーケティング組織を構築し、広告主自らがリスティング広告の入札やレポーティングを行ったりすることだ。特にビズリーチでは、マーケティングだけでなく、エンジニアリング、デザインも全て内製化しており、それがPDCAの高速化に繋がっているという。
先日1月17日に、ビスリーチの主催により「インハウスマーケティングを成功させる方法」と題したイベントが開催され、事業会社のマーケターを中心に約150名の参加者が集った。同イベントのスピーカーを務めた同社 マーケティング部 マネージャーの青山弘幸氏は「ビズリーチは、創業当初からマーケティングをインハウスで行ってきました。今日は、これまで自分たちが経験してきた失敗と成功の知見、そして今向き合っている課題について共有できれば」と口火を切った。
青山氏は、大学を卒業後、インターネット広告代理店のオプトへ入社し、大手ECやコスメ系企業のオンラインマーケティングを担当。その後、2011年にビズリーチに入社し、「ビズリーチ」「RegionUP」「ルクサ」の集客を立ち上げ時から担当。現在は「ビズリーチ」の集客責任者 兼 メディアプロデューサーとして、サービスの成長にコミットしている。
創業当初からビズリーチがインハウスマーケティングに取り組んできた理由
ビスリーチではこれまで、「ビズリーチ」「ビズリーチ・ウーマン」をはじめ、20代向けレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」、アジア版ビズリーチ「RegionUP(リージョンアップ)」、学習アプリ「zuknow(ズノウ)」、そして今は別会社となったが高級タイムセールサイト「LUXA(ルクサ)」という主に6つのサービスを提供してきた。2011年から2014年の4年間で、提供するサービスの数は2つから5つへ増加。そしてマーケティング組織の人員は当初は2名だったが、今では20名弱にまで拡大している。
「数字だけをみると、順風満帆に組織と事業が成長してきたように見えますが、そんなことはありません。大きな失敗もありましたし、もっとうまくできたのではと思うことも多々あります」と青山氏は当時を振り返る。2011年に入社した青山氏は、「ビズリーチ」「RegionUP」「ルクサ」という3つのサービスの立ち上げに携わってきたが、サービス立ち上げの時点ですでに多くの競合サービスが群雄割拠していたという。
「競合サービスを提供する企業は、弊社と異なり、人材も予算も潤沢でした。そのような状況でどう戦っていけばいいのか。競合サービスに勝つために、他社がやっていない施策を、なるべくコストをかけずに、どこよりも早く実施する必要がありました。今振り返ってみると、結果的にインハウス戦略を取らざるを得なかったという状況でした」
競合他社に先駆けて、ビズリーチは2009年のサービス立ち上げ当初からFacebook広告を活用。(同社のFacebook広告活用事例記事はこちら)また、Gmail内のユーザーにアプローチできるGSP(Gmail Sponsored Promotions)広告には、2013年10月に日本で初めて取り組んだ。また最近では「キャリアトレック」というサービスにおいて、グノシーやスマートニュースへの広告出稿にも他社に先駆けて取り組んだという。
「今でこそFacebookは大きな媒体になってきましたが、2009年当時のFacebook広告の管理画面は、まだ日本語対応もしておらず、四苦八苦しながら運用に取り組んでいました。また運用系の広告とは違ったカタチの広告手法にも挑戦しており、先日が谷口マサトさんに書いていただいた記事も話題になりました」
ビズリーチがインハウスマーケティングをやっている理由
1、どこよりも早く競合や他社がやっていない施策をやる
2、事例や実績、ノウハウはどこにもない。だからこそ自分たちで方法を模索してノウハウを蓄積し、事例を作っていく
3、予算がないからこそ、自分たちで挑戦する