データドリブンマーケティングとシナリオ設計の両立
押久保:現代のデジタル環境に対応するプロデューサー集団として、新会社ベストインクラスプロデューサーズ(以下BICプロデューサーズ)が発足しました。まずは、代表の菅さんのご経歴と、就任の経緯を教えていただけますか?
菅:私は総合広告会社に17年間勤務しておりまして、その中でマスマーケティングからデジタルマーケティングまで幅広く経験を積んできました。2001年からはデジタルに軸足を置き、直近10年間はリーダーシップを通じてPOE領域におけるコミュニケーションシナリオとテクノロジーを駆使したデータドリブンマーケティングをシームレスに実践する組織づくりに力を入れてきました。
このコンセプトのもと、広告会社の枠を超えて更に広くマーケットの課題にアプローチしたいと考えていたところ、横山さんから同コンセプトのプロデューサー集団を結成したいというお話をいただき、ビジョンもまったく同じでしたので、意を決し新たなチャレンジとして創業から参画することになりました。
押久保:BICプロデューサーズの構想は、いつ頃からあったのでしょうか?
横山:3年ほど前から描いていて、菅さんも3年かけて口説きました(笑)。今、データドリブンマーケティングは当たり前のものとなっていますが、データを扱うのに長けていればマーケティング成果を最大化できるかというと、そうではありません。ユーザーにとってどのような体験が最適なのか、施策の設計からクリエイティブまで含めた企画実施経験も、やはり不可欠です。
「分断化」を解消する有能なプロデューサー集団
押久保:データの扱いとシナリオ設計が分断しているのが、現状であり課題であると。
横山:ええ。網羅すべき領域があまりにも細分化し、生活者の環境もどんどん変わっていくので、そこをつないで最適なコミュニケーションを設計するのはなかなか難しいところです。デジタルに強い事業者がマーケティングサービスに乗り出そうと、DMPを導入したり分析官を雇用したりして体制を構築する例も見られますが、うまくいっていませんね。
ただし、その分断の穴を埋められる人材がゼロかというと、少ないながら有能な気鋭のプロデューサーが優れた仕事をしてきています。BICプロデューサーズではそうしたプロデュース機能を発揮して、企業のマーケティングを支援していきます。
押久保:昨年、デジタルインテリジェンスを幹事企業としたネットワーク「ベスト・イン・クラス パートナーズ」(以下BICパートナーズ)が発足しました(参考情報)。インテグレートやインフォバーンなど、それぞれ専門性の高い10社の事業者が参画していますが、こちらとの関係をうかがえますか?
横山:BICパートナーズは、データやコンテンツ、UIなど各領域のエキスパート企業のネットワークで、昨年はデジタルインテリジェンスがプロデューサーを含めた前述のアサインコンサルティングを行っていました。今後はBICプロデューサーズがその機能を担い、連携していきます。