リアルタイムでキャンペーンを運用していく
横山:デジタルが登場する以前は、数か月単位で実施したマスキャンペーンの効果を事後に大規模に調査するのが一般的でしたし、それしかなかった。ですが今、PDCAのサイクルは非常に短くなっていて、まさにキャンペーン実行中にチェックとアクションを繰り返していくことで成果を高めていくことができます。
押久保:運用型広告のように、キャンペーン全体も運用していくという発想ですか?
横山:ええ。ここまでユーザー環境が多様化すると、もはや事前に精度の高いプランニングはできないので、ある程度の枠組みの下でまずは施策を実施し、リアルタイムで運用することがデジタル時代のPDCAの回し方です。
今はそれこそ、実施中にもソーシャルメディアなどを介して受け手からさまざまな反応が得られるので、それをチャンスとしてタイムリーに返答したり施策に反映したりすれば、山を大きくできます。なので、最初のプランニングで予算を使い切らず、少し余剰を持たせておくことも重要です。
押久保:確かに、その考え方はとても有効だと思います。なぜ、できないのでしょうか?
横山:根本的には、発想の転換が必要です。実務的には、そういうリアルタイムな運用ができるようなKPIを定められていないことがネックです。そんなに複雑な指標を追う必要はなく、認知と購入意向を時系列で、また競合との比較で日々把握しているだけで、打ち手はいくらでもあります。
企業のマーケティング活動にベストな処方箋を

押久保:デジタル化が進み、ユーザーの反応をつぶさに取れるようになったことが、企業のマーケティングコミュニケーション環境を変えた大きな要因なんですね。
菅:そうですね。ですからBICプロデューサーズでもキャンペーンをローンチすることが目的ではなく、それを回していく仕組みの構築こそが大事だと考えています。
先ほどお話しした3つのソリューションを軸に、新規マーケティングプロジェクトの立ち上げと体制構築、データドリブンのコミュニケーション設計、さらに最近ニーズが高まっている企業内のマーケティング環境の整備や人材育成の支援もしていきます。
押久保:データのテクノロジーやクリエイティブの内製化は、確かに最近よく耳にするテーマですね。では最後に、今後の展望を教えてください。
菅:まずは、プロデューサーを担えるメンバーを増やしていきます。また、デジタルインテリジェンスグループのコンサルティングナレッジを活かしながら、BICパートナーズに参画する各領域でのトップクラスのパートナー、さらに外部のパートナー企業とも連携を強化していきます。
創業に関して期待の声も多くいただいており、既に国内大手のクライアントからも複数ご相談をいただいている状態です。その期待にしっかりと応えられる人材を揃えるとともに、メンバーの教育、育成にも力を入れていきたいと考えております。
横山:ベストインクラスとは直訳すると「クラス最高」ですが、医薬用語でもあったようです。近年、米国のマーケティング業界のキーワードとしても注目を集めており、マーケティング課題の解決を目的に、優れた専門性を最適な形で組み合わせチームビルディング、マネジメントをおこなうことを目指していきます。