米国の“モダン・マーケター”の取り組み
実際に、マーケターはどのようにして顧客の期待に応え、企業の成長に貢献しているのだろうか。Orchard Brands、JCPenny、Juniper Networksの3社の事例を紹介したい。
700万人のカスタマージャーニーを創出するOrchard Brands
ファッションアイテムのカタログ通信販売、ECサイト運営を行う「Orchard Brands」は、700万人の顧客を抱えている。同社ではメール配信とキャンペーンマネジメント機能を兼ね備えた「Oracle Cross-Channel Marketing (旧Responsys)」を活用して、オンライン上の行動と各顧客に関する200以上の情報から予測分析をして、適切な情報の提供をしているという。
「顧客のLTV(生涯価値)を高めるアプローチをしています。そのためには、顧客一人ひとりにジャーニーがあることを理解し、それに沿ったアプローチをする必要があります」と、同社CMO ビル・バース氏はビジョンを語る。
メールのCVR25%増を実現したJCPenny
米国の老舗デパートチェーン「JCPenny」もOracle Cross-Channel Marketing を活用して成果をあげた企業のひとつだ。同社では組織を改編し、メールマーケティングのチームを新設するとともに、ツールの活用をゼロから開始。手元にあるデータを整理し、それを基にメール配信の最適化とデータ収集の範囲を拡大することで顧客ライフサイクルの自動化と、ロイヤルティー向上を実現させたという。2014年には収益約121%増、メールでのCVR約25%増を達成している。
同社でメール戦略のディレクターを担当するジェイソン・スコキング氏は「完璧な仕組みを作ってからマーケティングの改善に取り組むのは難しい。まずは今やっていることの最適化を考え、次に新しいテクノロジーを有効に取り入れる方法を考えました」と語り、「できることを迅速に」というメッセージを発した。
4年をかけてグローバルでの環境を整備したJuniper Networks
ルーターやスイッチなど通信関連機器及びサービスを提供する「Juniper Networks」は、全世界約1万人の従業員を抱えるグローバル企業だ。しかし、同社はデータを集中管理する仕組みを持たず、世界規模でのリードのスコアリングやナーチャリング、キャンペーンの展開などは実施できていなかった。そこで同社は2010年~2014年という時間をかけて、「Oracle Cross-Channel Marketing (旧Eloqua)」を利用したグローバル規模でのマーケティング・オートメーションを構築。まさに、本格的な運用をはじめようとしている。
同社のグローバルマーケティングを取り仕切るアリッサ・ウェーバー氏はプロジェクトを進めるにあたり、「人とプロセスありきで、どのような技術を使うかを考えました」と語る。そして、大規模なマーケティング環境整備を実現できた鍵として「チームワーク・時間・計画性・目標設定」の4つを挙げた。部門や国を横断したチームワークを持ち、時間をかけて取り組み、ローカライズを考慮した早期の計画立案を意識し、実行前にゴールを設定することが重要だったという。
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