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第106号(2024年10月号)
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統括編集長インタビュー

日本初!顧客の名前を組み込んだパーソナライズド動画で“自分ごと化”促進


 新しい一軒家の外観から、室内へと誘う動画。玄関の表札がアップになると……そこには自分の名字が! 大和ハウス工業は4月、一人ひとりの名前を映像や音声に組み込み、パーソナライズした動画をメールマガジンで配信した。特に視聴完了率が高く、アンケートの反応も上々だという。この施策の経緯と結果について、同社 事業販促企画室の大島茂氏と小林高英氏に聞いた。

“あなただけ”の動画をメルマガで配信、関心を高める

MZ:各社がOne to Oneマーケティングに注目し、メールマーケティングを筆頭に施策を展開していますが、今回のような動画の中身をパーソナライズするという施策は初めての試みだと思います。まずは簡単に、施策の内容を教えていただけますか?

大和ハウス工業株式会社 総合宣伝部 東京センター 事業販促企画室 室長 大島茂氏(写真右)事業販促企画室 主任 小林高英氏(写真左)
大和ハウス工業株式会社 総合宣伝部 東京センター 事業販促企画室 室長 大島茂氏(写真右)
事業販促企画室 主任 小林高英氏(写真左)

小林:GW期間中に住宅展示場へ足を運んでもらうことを目的に、当社の住宅を案内する1分の動画を制作して、メルマガ会員へ配信しました。

 この動画が、会員お一人ずつの名前と居住エリアをパーソナライズしたものなんです。表札と、「○○様の家づくりの進捗はいかがでしょうか」など何度か音声で名前が入る点、また最後の展示場案内のエリアを一人ひとりのご住所によって変えています。

MZ:冒頭の表札は、驚きました。ここにそれぞれの会員の名前が入るんですね。そもそもなぜ、このような施策をされたのでしょうか?

大島:当社のような商材ですと、ときには何年にもわたって接点を保ち、エンゲージメントを築いていくことが重要になります。そこで近年はOne to Oneマーケティングに力を入れ、昨年からメルマガでもパーソナライズした内容をA/Bテストなど実施しながら模索しています。その中で今回のような動画配信ができると提案を受けて、他社より先にまず試してみようと(笑)、実証実験のような形で実施することになったんです。

配信されたパーソナライズメールの内容
配信されたパーソナライズメールの内容
(C) & (R) Universal Studios. All rights reserved. CR15-1924

多様なデータの反映が可能、進化する動画のパーソナライズ

MZ:メルマガ会員へのパーソナライズということは、動画ファイルが会員の数だけ必要ということですよね。こちらは実現まで、どの程度時間がかかったのでしょうか?

小林:実際の制作期間は、3週間くらいでしたね。今回の取り組みはlivepass社livepass catchというサービスを利用しているのですが、livepass社から2月頃に提案を受けて、3月中にシナリオの構成やデータの確認、年度末は展示場が忙しいので撮影は4月に行いました。

 撮影と編集はモバーシャル社に委託し、それが1週間くらい。その後、livepass社で文字や音声などパーソナライズする部分のシステムを構築し、当社提供のデータとつなぎ込んで数万本を生成してもらいました。これも1週間程度でしたね。

 動画にどこまで凝るのかによって、だいぶ変わってくると思いますし、技術的には数十秒のタイムラグでリアルタイム生成することも可能だそうです。

大島:今回は、会員の方々もきっと初めて見る「パーソナライズ動画」なので、そこまで凝ったものにはしませんでした。ただ、技術的にはほかにも「メルマガ会員になって1年が経ちました」など、個別データを使ったカスタマイズができるようですね。海外では、例えばガス会社のプラン変更の案内で、動画内の数字を人それぞれの料金に変えて比較して見せる、という事例もあるそうです。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/12/08 17:02 https://markezine.jp/article/detail/22546

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