SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

広告運用の情報サイト「Unyoo.jp」出張所

ネット業界の枠を越え、アドテク活用は今や一般化した【ad:tech SF 2015レポート】

スマホで瞬間的にコンテンツを消費する“ジェネレーション Z”

 「attention span」を日本語に訳すと、「注意を継続できる時間」「集中力が続く時間」という感じだろうか。「BEYOND MILLENNIALS: GENERATION Z AND WHERE THEY ARE TAKING MARKETING」というセッションでは、「GENERATION Z」という、概ね1990年代以降に生まれた世代のattention spanがどんどん短くなっていることをテーマに話が展開された。

 テレビを持っていなくてスマホで瞬間的にコンテンツを消費する傾向が非常に強い世代らしく、attention spanは5秒程度だといわれている。このGENERATION Zに対して効果的にマーケティングをおこなうにはどうしたらいいのか?さまざまな意見がでたが、まだ確立されたものはないようだった。また、「THE RISE AND FALL OF SHORT FORM VERSUS LONG FORM CONTENT」というセッションでも、attention spanが短くなっていることを主題に話が進んだ。アメリカでは多くのマーケターが、attention spanの短縮傾向を懸念しているようで、このままでは、テレビの60分番組などは、ほとんど見られなくなってしまうのではないか?という極端な意見もあるようだ。

 そのような中で、Virgin Americaの「Blah Airlines」という事例が紹介された。この例では、5時間46分もある動画「Have you been flying BLAH Airlines?」が紹介されたのだが、これが面白くて、かなりシェアされて、成功したとのことだった。

 こんなに長いコンテンツでも成功するのだから、短ければいいということもないし、長ければいいということもない。大事なのは、「creativity as content」だと話していた。「creativity as content」は直訳すると、「コンテンツとしてのクリエイティビティ(創造性)」となるが、おそらく、「コンテンツとして成り立つ、楽しめる、意味のあるクリエイティブ作品を作ること」が大事だということだと思う。そして、そのためには、「weigh the targeted audience」(ターゲットオーディエンスのことを十分に考慮)した上で、「content platform」と「content type」、「content occasion」を検討すべきだと勧めていた。

 「content platform」とは、テレビ、YouTube、Facebook、Twitterなどのコンテンツをのせるプラットフォームのこと。「content type」とは、ビデオ、ディスプレイ、テキストなどのコンテンツのタイプ。「content occasion」は、英語で「the reason for creating the idea」と解説していたが、どのような理由でクリエイティブを作るのか、つまり、誰に対してどんなメッセージを発信したいのか?ということだと思う。

 そして、最終的には、コンテンツが短いとか長いとかよりも、「change behavior」(行動の変化)、「change attitude」(態度の変化)を引き起こさないと意味がないとしていた。まぁ、それはそうだ。至極当然な話なのだが、言うは易し行うは難しというところだろうか。

次のページ
「ちょっとした瞬間」の生活者の情報ニーズに対応できるか

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
広告運用の情報サイト「Unyoo.jp」出張所連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/06/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22570

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング