スマホで瞬間的にコンテンツを消費する“ジェネレーション Z”
「attention span」を日本語に訳すと、「注意を継続できる時間」「集中力が続く時間」という感じだろうか。「BEYOND MILLENNIALS: GENERATION Z AND WHERE THEY ARE TAKING MARKETING」というセッションでは、「GENERATION Z」という、概ね1990年代以降に生まれた世代のattention spanがどんどん短くなっていることをテーマに話が展開された。
テレビを持っていなくてスマホで瞬間的にコンテンツを消費する傾向が非常に強い世代らしく、attention spanは5秒程度だといわれている。このGENERATION Zに対して効果的にマーケティングをおこなうにはどうしたらいいのか?さまざまな意見がでたが、まだ確立されたものはないようだった。また、「THE RISE AND FALL OF SHORT FORM VERSUS LONG FORM CONTENT」というセッションでも、attention spanが短くなっていることを主題に話が進んだ。アメリカでは多くのマーケターが、attention spanの短縮傾向を懸念しているようで、このままでは、テレビの60分番組などは、ほとんど見られなくなってしまうのではないか?という極端な意見もあるようだ。
そのような中で、Virgin Americaの「Blah Airlines」という事例が紹介された。この例では、5時間46分もある動画「Have you been flying BLAH Airlines?」が紹介されたのだが、これが面白くて、かなりシェアされて、成功したとのことだった。
こんなに長いコンテンツでも成功するのだから、短ければいいということもないし、長ければいいということもない。大事なのは、「creativity as content」だと話していた。「creativity as content」は直訳すると、「コンテンツとしてのクリエイティビティ(創造性)」となるが、おそらく、「コンテンツとして成り立つ、楽しめる、意味のあるクリエイティブ作品を作ること」が大事だということだと思う。そして、そのためには、「weigh the targeted audience」(ターゲットオーディエンスのことを十分に考慮)した上で、「content platform」と「content type」、「content occasion」を検討すべきだと勧めていた。
「content platform」とは、テレビ、YouTube、Facebook、Twitterなどのコンテンツをのせるプラットフォームのこと。「content type」とは、ビデオ、ディスプレイ、テキストなどのコンテンツのタイプ。「content occasion」は、英語で「the reason for creating the idea」と解説していたが、どのような理由でクリエイティブを作るのか、つまり、誰に対してどんなメッセージを発信したいのか?ということだと思う。
そして、最終的には、コンテンツが短いとか長いとかよりも、「change behavior」(行動の変化)、「change attitude」(態度の変化)を引き起こさないと意味がないとしていた。まぁ、それはそうだ。至極当然な話なのだが、言うは易し行うは難しというところだろうか。