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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

MarkeZine Day 2015 FUKUOKA

メディア改善だけでは足りない! 獲得効率アップの鍵は「クリエイティブ運用×データマネジメント」

CVを伸ばす鍵は「ターゲットを増やす」こと

 ターゲット像の絞り込みができたら、その人たちにどのようなメッセージを訴求し、どのようなタイミングで接触すればより顧客化を促せるのか、PDCAを回して探っていく。主婦と働く女性では切り口となるメッセージも違うと考えられるため、2つのターゲット像に対してそれぞれ多様なメッセージを開発。現在、着実に成果が上がっているという。

 効率を高めるためにDMPとして大事なのは、実際に配信した広告への反応データも蓄積すること、そして「インプレッションのみユーザー」「クリックまで至ったユーザー」「購入まで至ったユーザー」などの段階ごとにユーザーの興味カテゴリにどのような差があるのかを検出することだ。これらは優良顧客の発見につながる、と酒井氏。各段階のユーザーの違いが分かれば、より購入しやすい人の傾向に合った媒体への出稿やメッセージ開発などが可能になり、効率を高めることができる。

 CPAの下げ止まりに悩む企業が多いのは、「ターゲットを増やせていないから」と酒井氏は示唆する。「この状況を打破し、コンバージョンを伸ばしてCPAの下げ止まりを打破している優秀な運用事業者の共通点は、きちんとターゲットを見つけ、そのターゲットに広告がリーチするように運用を修正している点です。例えばリスティング広告について「どこの会社がやってもCPAはこれ以上下がらないよね」と思っている広告主も多い。ですが、実は優秀な運用者が運用するとコンバージョンを増やしてCPAを下げられています。良い運用者というのは入札の上げ下げをしたり、TD(広告文)のABテストのような施策を打ったりするだけでなく、的確にキーワードを見つけて追加しています。リスティング広告におけるキーワードの追加は、言い換えれば『このキーワードで検索する新しいターゲット』を見出して加えているということです。同じようにDMPを活用してターゲットのことを考え抜き、顧客化しそうな人にきちんと広告を届ければ、コンバージョンはまだ伸ばせるはずです」(酒井氏)

潜在顧客層へも正しいクリエイティブでコミュニケーションが可能

 クリエイティブを改善する体制を担保できるクリエイターズマッチ、精緻なターゲット像を描き優良顧客化へつなげるLegoliss。両社の具体的な成功事例を受け、「クリエイティブ運用とデータマネジメントのソリューションの双方を、マーケターはうまく活用しないといけないと実感する」と本松氏。

 さらに両社の得意分野を掛け合わせることで、ターゲットごと、そして潜在層からロイヤル層までの顧客ステージごとに配信を最適化し、最も効果的なコミュニケーションを実現することもできる、と指摘する。

 その先にあるのは、ユーザーの捉え方、アプローチの仕方の変革だ。これまでのようにCPAの良かったクリエイティブを、どんなユーザーにもぶつけてしまう「最大公約数マーケティング」から、顧客の志向性や購買ステップに寄り添った「適材適所マーケティング」へと進化していくことが可能になる。

 「本来、どういった人が顧客になるのかを考えるべきなのに、クリックやコンバージョンの数値が見えてしまっていただけに、ニーズが顕在化している人のみを見てしまっていたのでは。メディア改善だけでなく、クリエイティブ改善にも目を向けて、ターゲットに合わせてコミュニケーションを多層化しながら効率を高めることが重要でしょう」と本松氏。CPAや獲得規模に悩みを抱える企業にとって、現状を打破するための気付きに富んだ講演となった。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/07/02 11:00 https://markezine.jp/article/detail/22600

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