SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

LINEマーケティング活用企業特集

2,400万人超リーチを達成!ROI至上主義文化のソフトバンクが、LINEへの投資を続ける理由

約9割が完全視聴/テレビCMとLINE動画の相乗効果のインパクト

MZ:少し話しが変わりますが、昨今では動画広告への注目が高まっています。特にスマートフォンで動画を視聴する生活者が増えていますが、LINEでも動画広告を提供していますよね。

田端:「フリーコインビデオ」というのですが、LINEのユーザーに動画CMを流すことができるものです。動画を視聴完了すると、ユーザーはスタンプや着せかえなどと交換できるコインを獲得できます。すでに活用している企業は、累計で100社を超えていますね。

河合:弊社でも以前に学割のプロモーションとして、ウェブオリジナル動画を試験的にLINEフリーコインビデオに流したことがあるのですが、想定動画再生回数の10万回を約2時間で突破しました。驚異的なスピードとポテンシャルを実感し、さっそく効果があったので、立て続けに次はテレビCMの動画素材を使って施策を実施しましたね。単純に動画を再生するだけではなく、視聴後にユーザーをきちんとランディングページへ送客する効果も数値に表れています。動画視聴から実際の契約までの導線設計がされており、実際にコンバージョンに至った方ももちろんいます。

岩本:施策にかかるコストに対して、獲得できるコンバージョン数の予測も立てていたのですが、当初の想定どおりの獲得数に到達しましたね。

MZ:その想定数は、いわゆる一般的なリスティングやディスプレイ広告施策と比較して高いのでしょうか?

岩本:高いですね。

田端:一般論ですが、テレビCMというか、動画を見て、気持ちが盛り上がって温まった状態でLPに流入してくるので、コンバージョンしやすいのかなと。

岩本:そうですね。でも、そもそも動画から直接的に獲得するのは難しいと思っていたので、今回はなかなか良い結果を出すことができたと思っています。例えばリスティング広告などの獲得系の広告から流入してくる人は、すでに購入意欲が強い方たちです。でも、ニーズが顕在化していない人たちに動画を見てもらって、獲得まで結びつく広告ってなかなかないですよね。動画コンテンツをきちんと視聴して理解してもらって、商品の魅力をポジティブに捉えてもらって、その上で検討・購入してもらえて、結果の伴う良い施策ができたと思います。

田端:一種のリワード的な側面もあって、動画を視聴完了すると、ユーザーはスタンプや着せかえなどと交換できるコインを獲得できます。たったの2コインなので(LINEのスタンプ等との交換は50~150コイン必要)、逆に商品目当てで視聴する懸賞マニア的な人は少なく、同時に一般の人の積極的な視聴完了を促し、ほぼ9割の人がドロップオフせずに最後まで見ています

岩本:また、YouTubeをはじめとした他のメディアに動画広告を出稿するときは、その媒体のオーディエンスに向けた動画コンテンツを作る必要があり、私たち制作側のミッションは大きくなります。製作コストも余分にかかりますしね。でもLINEの場合は、テレビCMで流してる素材をそのまま流しても、十分に見てもらえることができ、すでに自社が持っているコンテンツを柔軟に使っていくことができます。ただ、同じ動画で良いのか、オリジナルのコンテンツを用意したほうがいいのかは、今後も検証していきます。

河合:またLINEの動画施策においても、効果検証は毎回しています。テレビCMだけに接触した方と、テレビCMと同時期にLINEで動画に接触した方を比較して、どれだけ購入意向や来店意向に変化が出たのかを検証しています。その結果、当たり前かもしれませんが、テレビとLINEで両方接触した方のほうが、2~3倍のスコアの差が出ます。ここからも、テレビCMと同時期にLINEでも動画を流すことによって、相乗効果が生まれているのを実感しています。

岩本:弊社のテレビCMは、けっこうなボリュームで出稿しているので、すでに認知は高い。ですが、それでも接触できていない人たちに対して、リーチを補ってくれるメディアをやはり必要としていました。新たな顧客層へのリーチ、同時にすでにテレビCMでリーチできている人には効果の底上げをはかることが、LINEの動画を活用することで可能になりました。

河合:また今回の調査結果で、LINEとテレビCMの両方に接触した人の購入意向を世代別に比較したところ、10~20代の若年層の方のほうが、他の世代に比べて高かったんです。若年層の向けのプロモーションをする際に、重宝できるのでは。

ソフトバンクのROI至上主義文化

河合:弊社では、あらゆるマーケティング施策において、全てリサーチをかましています。LINEだけでなく、テレビCMをはじめとしたマス広告を含めて調査・検証をしています。ですので、他の媒体や施策と比較して、今回の取り組みの効果がどれぐらい高かったのかを、数値として判断できる土壌ができています。何に投資することでリターンがどれぐらいあるのか、これは常に求められます。加えて、お客様が触れたくなる広告を提供することも、ミッションの一つです。

MZ:テレビCMをはじめとしたマスコミュニケーションをはじめ、様々な広告施策にソフトバンクは俊組んでいますが、マーケティング予算におけるLINEへの資額はどの程度なのですか?

岩本:それなりに大きな割合を占めていますね。先ほど田端さんがおっしゃっていましたが、初期投資だけでなく、継続するにも少なくない費用がかかります。これまで繰り返してきたスタンプ施策も、毎回大きな投資です。だからこそ、LINEの施策おける投資対効果は毎回かなり厳密に調査・検証した上で、継続していく判断をしています

MZ:では話はつきませんが、そろそろ時間もなくなってきましたので、河合さんと岩本さんから、広告主として今後のLINEに期待することを教えてください。

河合:ソフトバンクの公式アカウントの友だち数は2,400万人を超え、LINEを通して多くの人にリーチできるようになりました。だからこそ、クリエイティブやキャンペーン内容の善し悪しで、大きく結果に差が出てきます。LINEの世界の中で、お客さまが楽しみながらいかにソフトバンクに興味をもってもらえるか。企業として伝えたいメッセージを込めつつも、より多くの友だちに振り向いてもらえるように企画の工夫は引き続きしていきます。

 その一環として、ビジネスコネクトを使った新しいプロモーションや、スタンプのクリエイティブの多様化など、どんどん生み出していきたいですね。またこれまでも取り組んできましたが、LINEと店舗を絡めた施策やクロスメディア施策など、新たな顧客接点を作りつつマーケティングの手法を変えていきたい。そういったところを、LINEさんと一緒に作っていきたいですね。

岩本:スタンプやコインをフックにした施策で、新しい友だちを増やすという短期的な目的と同時に、それらの施策をブランディングへつなげることもできます。ブランディングと獲得がシームレスにつながっていく。そんな世界を引き続き、LINEさんには体現していってほしいですね。

 またソフトバンクは、携帯電話に限らず、様々な商材を扱っている会社です。なのであまり通信キャリアという枠組みに縛られずに、お客様の生活の中の様々な接点で、ソフトバンクに触れたいと感じてもらえる機会を作っていければと思います。そんな世界の実現に向けて、LINEさんとも一緒に取り組んでいきたいですね。

MZ:では最後に、田端さんからかっこよく一言ください。(笑)

田端:まとめ風にいくと……(ドヤ顔)

一同:(笑)

田端:真面目に少し違う角度から言うと、LINEはスタートしてからまだ4年です。サービスを開始した当初は、無料通話とメッセンジャーの機能を持つLINEは、既存の通信キャリアを単純に土管化してしまう。LINEを使うユーザーが増えることは、通信キャリアが得るはずの音声通話収入の減収につながり、どっちが食うか食われるかみたいな議論があったんですよ。

MZ:そうそう。そんな時期もありましたね。

田端:はい。今でこそ誰もそんなことは言わなくなりましたが、当時は特に海外メディアからはそういった文脈での語られ方が強かったですね。ですが、ソフトバンクさんとは2012年から一緒に取り組みを開始したのですが、まったくそんな懸念はお持ちではなかった。そういった意味でも、みっちりと一緒に仕事できていることはすごいことだと思っています。

 あと、これは本当にLINEの課題でもあるのですが、ソフトバンクの公式アカウントの2,400万人の友だちがいる中で、ソフトバンクの既存契約者か否かのセグメントが分けられていない。これはビジネスコネクトをうまく活用していくことで、新規会員の獲得と既存会員のリテンションを両立しつつ、ユーザーサポートの領域も含めて、新たに取り組んでいけることは多いと思います。

岩本:LINEのユーザーは、日本の人口を包含しつつあるので、その中にソフトバンクユーザーが入ってるイメージです。田端さんがおっしゃったように、CRM的な観点からも、LINEのプラットフォームを活用していければと思います。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
LINEマーケティング活用企業特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/07/10 10:00 https://markezine.jp/article/detail/22684

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング