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LINEマーケティング活用企業特集

2,400万人超リーチを達成!ROI至上主義文化のソフトバンクが、LINEへの投資を続ける理由

 今や日本人の4割以上が使っているLINE。今回はLINE4周年を記念して、LINEのマーケティングプラットフォームとしての可能性が未知数だった頃から、積極的に活用してきたソフトバンクの取り組みを紹介する。今でこそLINEへの投資が大きな同社だが、導入当時は社内調整に苦労したという。18回にわたるLINEスタンプ施策で得た知見や、フリーコインビデオ施策の結果などについて、ソフトバンクの岩本嘉子氏、河合正憲氏、そしてLINEの田端信太郎氏に迫った。

ブランディングと獲得の両立を追い求める、ソフトバンクのマーケティング戦略

MarkeZine編集部(以下、MZ):先日、2015年6月23日に4周年を迎えたLINE。グローバルでの月間アクティブユーザー数(MAU)は約2億500万人、また日本国内の登録者数は人口の4割以上をカバーする5,800万人にまで成長しています。そんなLINEのサービスとしての成長や広告プラットフォームとしての活用の可能性を、MarkeZineではこれまで積極的に追ってきました。(参考:連載「LINEマーケティング活用企業特集」)

 今日はLINE4周年を記念して、業界他社に先駆けてLINEをマーケティングに活用してきたソフトバンク の取り組みについて、同社の岩本さんと河合さん、そしてLINEの田端さんを迎え、お話をうかがっていきます。ではまずは、ソフトバンクのオンライン領域におけるマーケティング戦略全般について、簡単に教えていただけますでしょうか?

ソフトバンク株式会社 サービスコンテンツ本部 販売促進統括部
オンラインセールス企画部 セールス企画2課 課長 岩本嘉子氏

岩本:「ブランディング」と「獲得」、その両者を紐づけて考えています。いかにお客様に弊社の商品・サービスを魅力的に感じてもらうか、またそこから獲得まで引き上げることができるかを中心に考えてます。これは一般的な企業でも同じだと思いますが、特に最終的に購入にいかにつなげることができたかを日々検証しています。

 特に弊社のような携帯電話商材であれば、なかなかインターネットでは購入まで結びつかず、最終的には店舗に足を運んで購入に至るお客様が非常に多いくいらっしゃいます。だからこそ、オンライン広告でいかにパワーが発揮できるかによって、店舗への送客数も変わってくるので、その視点を非常に重視してメディアを選定しています。

 Yahoo! JAPANやGoogleをはじめ、オンライン広告の出稿先のメディアは多々ありますが、かつてはLINEはブランディング用途に近いイメージを持っていました。ですが、実際に蓋を開けてみると、圧倒的なユーザー数を抱えていることもあり、かなり獲得に貢献するメディアだと認識が大きく変わりましたね。

MZ:そもそもブランディングと獲得って両立できるものなのでしょうか?その両者については、目的・手段を分けている広告主の方って多い印象をもっているのですが。

岩本:実際は弊社でも分けているのですが、最終的には購入に紐づけていくという目的は同じです。

LINE株式会社 上級執行役員 法人ビジネス担当 田端信太郎氏

田端:少し補足をさせていただくと、ソフトバンクさんの場合は白戸家のお父さんという、強いブランドのあるキャラクターをすでに持っています。テレビCMにも出ているお父さんのキャラクターを、認知のフックとしてLINEスタンプでも活用しているので、ブランディングから販促、そして最終的な獲得まで一貫して行うことが可能になっているのでは。

イラストレーション:山根Yuriko茂樹

 また、ソフトバンクさんとはこれまでも色々な新しい取り組みを一緒に行ってきました。例えば、マストバイスタンプという、もともとは飲料や消費財の購買を促す販促の側面が強い位置づけの広告プロダクトがあるのですが、ある日ソフトバンクさんのからこれを来店促進に使えないかと。ただ、マストバイスタンプで想定している飲料製品等と比べて、回線契約は高額です。それでは少しバランスが悪いので、店舗に来店してくれればスタンプをあげる“マストビジット”的な活用はできないかと、逆提案いただきました。マストバイならぬ、マストビジットです。

MZ:(笑)

LINEとテレビCM、そして店舗で一貫したキャンペーンを展開

田端:ソフトバンクさんが、「来店総客数」というKPIで施策の効果を測っていることも、この施策の設計が成立した理由の一つでしょう。LINE側としては、新たな活用方法を見出していただきました。またマストビジットスタンプ施策と同時期に、「バリバリつなガレー」というキャンペーンを並行して実施されていました。実際に店舗でレトルトカレーを配ったりして、かなり話題になりましたよね。同時期に実施した全てのキャンペーンをうまく連携させて、店舗への来店促進をはかっていたと思います。

河合:当時は、テレビCMでも店舗に行くとレトルトカレーをプレゼントするというメッセージを発信していましたし、もちろん店頭も黄色にデコレーションして、店頭もウェブもテレビCMも全て、一貫したキャンペーンメッセージを打ち出していました。

岩本:田端さんにおっしゃっていただいたように、弊社のキャラクターは非常にパワーがあるので、スタンプのクリエイティブに上手く活用して、それをフックに人を呼び込める土壌があったことも、施策が成功した理由の一つですね。スタンプのクリエイティブに関して、いろいろと無理難題を言わせていただいたことも……(笑)

田端:(笑)

岩本:LINEさんの規定で実写のスタンプはNGなのですが、白戸家のお父さんをどうしてもスタンプにしたくて、クリエイティブディレクターの佐々木宏さんにも協力していただいて、いかにキャラクターに寄せた実写に近いクリエイティブを作るかに挑戦しましたね。

田端:業界の大御所である佐々木さんのような方に、LINEスタンプのクリエイティブを手掛けていただけること自体が、とてもうれしい驚きであり、ありがたいお話でした。

岩本:LINEのユーザーさんたちの会話の中に、白戸家のお父さんが出てくるのは、ソフトバンクのブランド的にもすごく重要な意味を持ちます。佐々木さんも、あの世界観をLINEのコミュニケーションの中にどう組み入れていくべきか、よくよく考えられていましたね。また、弊社のスタンプは引き延ばしてセル画にしてもきれいなくらい、かなり綿密に作り込んでいるんですよ。

田端:原画展ができるレベルですよね!

一同:(笑)

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/07/10 10:00 https://markezine.jp/article/detail/22684

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