データの可能性を存分に引き出す仏・プロバンス社
押久保:さまざまなマーケティングオートメーション(以下MA)ツールが日本市場に登場する中、新たにブレインパッドと仏・プロバンス社より「Probance One」がリリースされました。プロバンス社は有数のマーケティングソリューションベンダーだそうですが、まずは同社についてプロバンス社 CEOのドゥエムさんよりご紹介いただけますか?
ドゥエム:プロバンス社は、2004年に設立しました。元々私は数学者なのですが、企業がデータの可能性を最大限に利用できるようにしたいという意図で、データ解析に強いソリューションをIT市場に提供していました。
押久保:日本では2年前よりブレインパッドと提携して展開しているMAツール「Probance Hyper Marketing」は、グローバルでも展開されています。どういった経緯で、ITからマーケティング領域へと事業を拡大されたのですか?
ドゥエム:設立当初から、コンピューターの機械学習機能を使えばマーケティングができる、という見通しはありました。実際に開発し始めたのは、7~8年前です。
マーケティング業界は、顧客のプロフィールや行動データを使ってビジネスをしていきます。例えば、10万人の顧客と10万点の商品があったら、その組み合わせは膨大でとても人の手ではできません。開発当時はまだ一斉メールが主流で、顧客に合わせてカスタマイズできるソリューションはありませんでしたが、弊社ならそれを開発でき、いずれ必ず企業の役に立つものになると考えたのです。
高度な技術の普及には、専門知識なくとも使えることが重要
押久保:ブレインパッドとは、いつごろからのお付き合いなのですか?
佐藤:実は、ドゥエムさんとはプロバンス社を立ち上げる前から仕事をご一緒しているんです。私たちは今、ビッグデータを活用した予測や分析を行っていますが、彼はそれを機械学習によって自動化できるプロダクトを世界で初めて世に送り出した企業のメンバーのうちの一人です。もう10数年前ですが、弊社はそのプロダクトの日本での展開をお手伝いしました。
押久保:そうなんですね! その後に自身でプロバンス社を立ち上げ、ツールをマーケティング領域向けにブラッシュアップされたと。
ドゥエム:ええ。数学者や統計学者がいなくても、マーケティング領域の人たちだけでも簡単に使えるようにしたのです。
例えるなら、以前は車全体ではなくエンジンだけを手掛けていましたが、それだとメカニックが分かる人でないと実用化できません。そこで、車も合わせて開発し、数学の専門知識がない人でも自由自在にどこへでも行けるようにしたわけです。技術が広く普及するためには、そういう方法がいい。この考えで開発したのが「Probance Hyper Marketing」でした。