人気アプリのデベロッパーが語るアプリのプロモーション手法とは
続いては、ヒットアプリを生み出しているデベロッパーを迎えたパネルディスカッションが展開された。アイモバイルの廣瀬裕利氏をモデレーターに、グッディア 吉田和史氏、リイカ 栗田祐介氏、Nagisa 井上大紀氏の3名が参加。アプリのマネタイズやプロモーションについての知見が語られた。盛り上がったトークのなかから、いくつか抜粋して紹介する。
廣瀬:iOSとAndroidでプロモーションは使い分けていますか?
吉田:直近までは、iOSしかプロモーションをしていませんでした。ブーストがメインです。最近Androidでも試し始めていますが、収益的にはiOSほど爆発力がない印象です。
栗田:OS別のプロモーションは吉田さんのお話の通りですね。ブーストの観点でいうと弊社のQというゲームアプリは、Twitterでの拡散が効果的でした。自分が解けない問題を検索するとヒントが出てくることもあって、拡散力がありましたね。
井上:プロモーションはみなさんブーストが中心だと思いますが、ASO(アプリストア最適化)は本当にやった方がいいです。ブーストのピークが過ぎた後にも“ちりつも”で稼げるので、しっかりやった方が息の長いものが作れると思います。重要度でいうとアプリ名とキーワードが95%で、ディスクリプション(アプリの説明文)は、ほとんど意味がないかなと。App Storeのランキングでは、3行だけファーストビューに入るので、そこはワーディングにこだわった方がいいでしょうね。
アプリ内課金を導入するためのポイントとは?
廣瀬:アプリ内課金は導入していますか?導入していたとしたら、どのような立ち位置ですか?
井上:当社はカジュアルゲームしか作っていないので、ソーシャルゲームのアプリ内課金とは違うと思いますが、収益全体の15%くらいは稼げているかなと。アプリ内課金を入れるとデバッグがすごく大変。さらに「課金したけどアイテムが出ない」といったお問い合わせが出てくるので、そこのバランスも含めて検討する必要があります。急いでリリースしたいなら広告だけでマネタイズすればいいし、収益を上げたいなら時間をかけてデバッグすればいい。
栗田:当社もカジュアルゲームばかりで、課金のノウハウはあまり持っていません。Qでは問題のパックを課金することでアンロックできる仕組みだけですね。カジュアルゲームは広告での収益の方が向いていると思います。課金で稼ぐというよりは、触ってもらう機会を増やして、広告をタップしてもらえる機会を増やすという選択をしてきた。今後はもっと課金に繋げられるアプリを作るようにシフトしていこうと、真面目に考えているところではあります。
吉田:当社は課金を入れているのは、ほんの一部のアプリで、収益としては1%を切るかというレベルです。無料のカジュアルゲームなので、ユーザーの志向は“いかにお金を使わずに遊べるか”だと思います。課金の仕組みを入れたとしてもマネタイズは難しいかと。ただ、今後はその仕組みを入れると動画リワード広告を生かせるのではないかと考えています。例えば、あるアイテムを100円で売るという課金システムを用意する一方で動画リワード広告を用意しておく。お金は出したくないけど、“15秒の動画を見るだけでインセンティブがもらえる”みたいな。そういう手はアリなのかなと思いますね。
パネル終了後、前述の「maio」のリリースが発表されイベントは大きな盛り上がりと共に幕を閉じた。アプリの収益化についてさまざまな視点で語られた、今回のイベント。アイモバイルの新SDK、9月にリリースの動画広告プラットフォーム「maio」、今後のアプリプロモーション市場におけるアイモバイルの動向から目が離せない。
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