「今日はいい香りがする」帰宅直後の家族の反応
――大きな狙いであった「香りの魅力を伝える」といった点では、どのような手応えを感じていらっしゃいますか?
平田氏:すごく印象的だった投稿が「いつもは特に反応がない夫が、帰ってくるなり、『今日はいい香りがする!』と誉めてくれました」というものです。キッチンから漂うスパイシーな香りについても評価いただけたのは、うれしかったと同時に手応えを感じましたね。また、一つの課題でもあった若年層顧客の獲得といった点でも、デジタルという分野の特性から、若い方からの応募や投稿を多く得ることができました。

新田氏:“香り”とは、非常に伝えづらい要素ではありますが、皆さん、感覚的に“おいしい香り”というのをご存じだと思うんです。実際、これまでに実施してきたお客さまへの調査でも、「『ゴールデンカレー』じゃないと、何か物足りない」というお声を、多くいただいてきました。その言葉にできない“何か”こそ、“香り”。だから香りに注力した『プレミアムゴールデンカレー』を食べていただければ、その香りの魅力に気づいていただけるはずだと思っていました。
モニターで終わらない、デジタルコミュニケーションの継続性
――今回の取り組みに手応えを得た今、デジタルを活用したプロモーションについて、今後の展開をどのようにお考えでしょうか?
新田氏:もちろん、継続して行っていきたいと考えています。先ほどもお話しした通り、可視化できない“香り”だからこそ、食べてくださった方自身のお声が何よりの力になる。その“生の声”を抽出できるのは、やはり相互コミュニケーションが可能なWEBならではのことです。さらにお客さまからお客さまへと魅力を伝えていただけるだけでなく、その偽りのない声は、今後の企業活動へも活かすことができます。
平田氏:実は、今回のキャンペーンでモニターになってくださった方との関係も、まだ続いているんです。モニターの方を「カレーラバーメンバー」と呼ばせていただき、すでにメンバー限定の情報配信を行っています。
キャンペーン期間だけの限定的な関係ではなく、今後も関係を続けていくことで、今回、モニターの方が、「カレー会議室」を通して、『プレミアムゴールデンカレー』の魅力を伝えてくださったように、今後も、その展開が期待できます。
新田氏:何より大切なのは、エスビー食品を、そして『ゴールデンカレー』を好きでいていただくことです。ただ、市場における商品の種類も情報の量も、昔とは比にならない今「これが好き!」と自信を持って言うことが難しい時代だと感じています。この状況だと一方通行の情報発信では、せっかくキャンペーンを通して感じていただいた「このカレーが好き」という感覚も、すぐに薄れてしまうこともあるかと思います。
お客さまの声から、企業活動のヒントを得るのはもちろん、お客さまが感じてくださる「このカレーが好き」という気持ちを守っていくためにも、デジタルを通じた相互的な関係を継続して行ければと考えています。
出典元:D2Cスマイル