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クリエイティブを“科学”する動画マーケティング

“コミュニケーションのきっかけになる”視点がない動画は拡散しない!シェアのメカニズムとは?


「他人に対するコミュニケーションの道具」としての条件

 一つ、コミュニケーションの道具となっている事がはっきりと分かる例をご紹介しましょう。

 下記の動画は、Google社が展開する、テクノロジーを活用した柔軟な働き方で女性の社会進出を支援するプロジェクトWomen Willの一環で始まったキャンペーン「#HappyBackToWork」のイメージ動画です。

 不安を抱えながら育児休暇から復職する女性たちに対し、職場の人々が仕掛けた心温まるサプライズをドキュメンタリーで追い、その中で、働く女性達をハッピーにするアイデアを生み出そう、という「#HappyBackToWork」のコンセプトを伝えています。

 この動画が「他人に対するコミュニケーションの道具」として成立していることを示すのが、こちらの投稿です。

 

職場復帰する女性に、仲間たちが用意したのは…涙と笑顔でいっぱいになる、素敵なサプライズでした!!

Posted by grape on 2015年3月11日

 動画紹介メディアGrapeにおいて、当該動画が紹介された際の記事で、Facebook上でシェアされている様子や記事に対するコメントを確認することができます。

 シェアやコメントを行うことによって、他の友人や不特定多数の他人に自分の感想が伝わることになるため、このコメントは視聴者がシェアする理由を反映していると考えることができます。

 例えば、「こんな会社が増えますように」という趣旨のコメントが多くついていますが、これは「働く女性に優しい企業を支持している」という社会的な主張を他人にしていることを意味します。また、「自分の子育て中、同僚や上司が助けてくれたことに感謝する」趣旨のコメントも見受けられます。

 つまり、Facebookで繋がっている同僚や上司に向けて、「感謝を伝えるキッカケ」として動画のシェアを使っていると言えます。

 逆に、「自分が子育てしていた時はかなり苦労した」という趣旨のコメントもありますが、この場合は「社会に対する不満の表明」として動画を使っていると考えられます。これらすべて含めて、自分の体験や意見を語るためのネタとして動画が用いられている、ということがコメントから伝わってくると思います。

 こうした個々人がかかえる深い悩みや、社会的な問題への言及はStar動画の多くで見られます。下記のDoveの事例では「美醜に関する自己評価の低さ」について、日本のACジャパン(旧公共広告機構)に当たるAd Councilの事例では「民族、性的指向、宗教、障害などの意味の違い」について扱った結果、世界的な反響を得ることに成功しました。

 このように、体験や意見を発信しやすい社会性のあるテーマは、Star動画に向いた題材と言えます。

 

 もちろん、Star動画の全てがこうしたテーマを扱っているわけではありません。例えば次のような事例では、ドッキリ動画を使って友達を驚かせたい、笑わせたい、一緒に楽しみたい、という狙いからシェアされるコンテンツになっており、これも一つの「コミュニケーションのきっかけるとなるネタの提供」と言えます。

 

 

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Star動画とノベルティグッズの共通点

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この記事の著者

小野 敬明(オノ タカアキ)

外資系コンサルティングファームにて戦略コンサルティングに従事した後、2014年に企業のデジタル動画マーケティングを支援する株式会社Viibarに参画。自社のマーケティング活動を統括すると共に、動画を活用したマーケティング戦略や、データを基にした動画の企画・制作メソッドの開発を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/11 20:28 https://markezine.jp/article/detail/23142

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