コンテンツマーケティング運営に必要なKPI設計とは
ただし、コンテンツマーケティングでは潜在層に“リーチすること”だけが目的ではない。ニーズを喚起し、顕在顧客化し、さらにはロイヤリティカスタマーへと育成することが重要な目的となる。その目的の達成には、コンテンツ作成・配信はもちろん、効果測定や改善も含めた「継続的な運営」が重要な鍵となることは間違いない。しかしながら、どのように運営していけばよいのか。
コンテンツマーケティングの運営は、「環境分析」「企画」「制作」「効果測定」「改善」の5ステップで構成されているという。基本的には、ホームページやランディングページなどの運営と何ら変わるものはない。しかし岩田氏が最もこれまでと異なる部分として指摘するのは「企画」の段階で行う「KPI設計」、つまり「何をもって効果ありと判断するか」である。この「KPI設計」とそれに基づく効果測定の部分については「ちょっと他とは違うコツが必要」と岩田氏は語る。
先述した「コンテンツマーケティングの目的」を考えると、「①価値あるコンテンツ作成」は、「②見込み客の獲得」を経て「③売上=コンバージョン」があってこそ評価される。つまり見込み客の獲得がコンテンツ作成にあたり一番最初のKPIといえるだろう。そして、このプロセスは「見込み客にリーチする」ことに始まり、「理解を深める」「共感を得る」「ファンにする」の4つの順番で行っていく必要がある。
そして実際の「売上=コンバージョン」まで全て含めて「測定指標」となる。さらに簡単かつ的確に評価するには「具体的な数値」に落とし込む必要がある。
大事なのは評価指標を運用改善につなげること
では、具体的にどのような指標で評価すれば良いだろうか? まずリーチについては「ユニーク訪問者数」「新規訪問者数」、そして理解を深めてもらえたか、情報を届けられたかについては記事が最後まで読まれたかという「読了数(率)」、共感を得られたかは「メールなどでの会員登録数」、ファンになったかは「SNS拡散数」、そして最終的な売上は「コンバージョン数」が評価指標にあたる。
ただし、単にこれらを測定し、分析するだけでは意味がない。運用し、改善へとつなげることが必要だ。たとえば、記事の訪問者数が平均650だとすれば、それより多く訪問者数を獲得した記事の内容やテーマなどを分析し、以降に活かす。さらに、指標ごとに平均値に対する数値を出してステップごとに比較すれば、コンバージョンに至るまでのボトルネックも明確化できるだろう。