既存サービスやユーザ資産から新規事業化を模索。アワードなどの取り組みも
ユーザ発信の手法として急成長しつつある携帯小説についても、同社では積極的な展開を開始している。2007年3月に開始し、わずか7カ月で約28万作品が登録されており、PV数も平均5,000万を突破した。
10月上旬時点での最高値が7,300万PVであることを鑑みると、公開数および閲覧数ともまだまだ伸びることが予想される。そうした動きを促進するべく、2007年5月には「モバゲー小説大賞」を展開。恋愛小説からミステリーまで、さまざまなジャンルから7,500作品もの応募があり、14歳から39歳までの幅広い年齢層の作者による作品が受賞した。なお、大賞受賞作品は講談社より書籍化が決定しているという。
ただし、こうしたユーザ発信や自己表現が活発化する中で、著作権や公序良俗に反する書き込みなども増加しつつある。コミュニティ保全のために、同社では「健全コミュニティ委員会」を設置し、サイト内のパトロールを定期的に実施。わかりやすくまとめた注意事項などを目に付きやすい場所に掲載してユーザの注意を喚起し、違反者にはペナルティが課せられる。
畑村氏は「豊かなコミュニティには、豊かなコミュニケーションがあり、豊かなユーザ資産が生まれる。ディー・エヌ・エーはその創出に積極的に図っていきたい」と語り、セッションを締めくくった。