新しいターゲットにどうアプローチするか?
「今回の新商品には、厳密には競合はいないんです。我々はこの商品で、市場に新しい価値観を提案していきたいと考えています」ここ最近、クライアントから新商品(新サービス)の広告展開に関するオリエンテーションの際に、このような構想を頂くことが多い。
「厳密には」というところが少しわかりづらいが、クライアントが売り出したい新商品はまったく新しい分野のものではなく、製品・サービスとしてはすでに市場に存在しているものだ。つまり、こうしたクライアントの意図は、例えば今まではビジネスマンによる使用が主流だったある製品を、アプローチを変えることによって主婦や学生にも「この製品を使うとすごくいいんですよ」と提案し、彼らのライフスタイルの一部として浸透させたい、というわけである。
ざっくばらんに言ってしまうと、今まで狙っていなかったターゲット層にまでアプローチを広げ、市場規模を拡大したいというわけなのだが、これをWebだけで達成させようと考えると非常に難しい。
任天堂が、これまでテレビゲームのターゲットとして考えられていなかった年配層や女性層を新たなターゲットに、大成功を収めたケースはすでに業界の語り草だが、Webを中心とした広告展開を提案していく我々としては、どのような戦略を考えていけば良いのだろうか。