「ママの目線」だからこそ伝えられる情報
――各コンテンツは、どのような発想で考えられたのでしょうか?
塩野氏:イベント情報のほか、駅周辺のスポットをご紹介する「おでかけコース」、テーマごとの楽しみをお伝えする「沿線発見レポート」、沿線で体験できる事柄を実体験とともにお届けする「西武沿線で100体験」といったコンテンツを設けていますが、すべてにおいて強く意識しているのが、ユーザー目線の情報発信です。

これまで広告という形での情報発信はありましたが、広告目線では一方通行になりがちで、本当に響いていたのか疑問に残る点がありました。これを打破するためには、私たち社員とは異なる「利用される方の目線」が必要です。
町屋氏:自発的にお出かけしたい人、お出かけに対する興味関心が高い人に見てもらうためには、その人たちの目線に立ったコンテンツが重要です。ユーザー目線が特に色濃く表れているのが、「おでかけコース」と「沿線発見レポート」ではないかと思います。
どの記事も一般の方にご協力を仰ぎ、実際に訪れていただいた生の声を記事にしています。なかでも多いのがママさんガイドです。彼女達は各スポットの体験談はもちろん、ベビーカー移動に欠かせないエレベーターはどこにあるのか、お出かけ先におむつ替えスペースはあるのかなどを教えてくださいます。結果として、ママでなければ目が届かない点までサイトでしっかりと伝えることができています。
地元密着型の記事に漂う“街の空気”が人を呼び込む
――「西武沿線で100体験」はどのような狙いでコンテンツはつくられているのでしょうか?
塩野氏:このコンテンツはニューファミリーや、これからご家庭を築かれる層にアプローチする狙いがあります。気を付けている点は街の空気をより濃くお伝えすること。地域でお店を営んでいる方や、イベントを主催されている方など、沿線に根ざしている方にご登場いただいています。
西武線沿線はどちらかというと「住む街」というイメージが強く、どこか庶民的という印象をお持ちの方が少なくありません。ですから、街の空気が伝えられれば「住む街」だからこその強みである「安全・安心な街」というイメージを創出できると考えました。新たに住まいを探すファミリー層に「住みたい街」という印象も持ってもらえるのではないか、と。

町屋氏:合わせて「西武沿線で100体験」は、リサーチャーの役目も担っています。記事にご登場くださった方自身が、記事の拡散をしてくださることに期待できるため、現状、このコンテンツにのみFacebookページを設けているんです。すると「いいね!」を押してくださった方の足跡から、どんな層が記事に興味を持っているかが見えてきます。紙媒体では把握が難しかったことが、浮き彫りにできます。