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仮説立てにデータをどれだけ活用できるのかが肝要、経験とデータの両輪でビジネスをドライブする方法


データを使って何ができるのか

――御社のソリューションでは、実際にどのようなデータが使われているのでしょうか?

シン氏:小売業の場合は、POSデータや顧客情報、および企業が持つ情報です。例えば、製品カテゴリや店舗の場所などがあります。広く使われているデータは在庫情報でしょう。これらの情報によって、何が誰に対してどれだけ売れるのかが分かります。また、マーケティング部門がデータを活用するなら、キャンペーンデータも取り扱われています。

 もちろん、外部の情報ソースも利用できます。人口動態統計やGDP統計、市場のシェアや市場規模などがあるでしょう。その他、調査企業から購入したデータを活用することが可能です。

 こういった情報は本来活用すべき非常に重要な情報です。しかし、データを手軽に分析できるシステムがない、もしくは担当者が扱えなかったために十分に活用されてこなかったように感じます。特に、小売業界ではその傾向が顕著です。ですから、当社では、社内外のデータを活用し、商品の売上を単純に見るだけでなく、市場の要因が売上にどのように影響しているのかを把握できるソリューションを提供しているのです。

――企業ではオンラインとオフラインの顧客行動を把握したニーズもあるかと思います。

シン氏:その領域でも多くの事例があります。実店舗とオンラインストアの両方を持つ企業を例にしましょう。利用者がオンラインショッピング中に商品をカートに入れます。その際に、マーケターはその顧客の情報や、未購入の商品に関する情報を把握できます。買い物かごに商品を入れてから一週間購入されていなければ、割引のリマインドを送ることができます。

 また、実店舗を含めた購買履歴を掛け合わせると、普段買っている商品と共通性をもった他の商品を特定できるでしょう。その顧客が店舗に足を運んだタイミングで「以前にカートに入れていた商品が、今なら10%オフですよ」といったメッセージを送ることも可能です。

 他にも、オンラインストアで25~30歳の人が一番選ぶ商品を、実店舗でも大々的に露出させて購買を促すことも可能です。さらに、当社で特徴的なデータ活用としては、例えば、私があるオンラインストアでアカウントを持っていて妻も別のアカウントを持っていたとしましょう。連想技術によって関連付けをして、この二人が家族であることを洗い出すことも可能です。すると、個人ではなく家族に対して効果的なキャンペーンを考えることもできるでしょう。

――データ活用のためのツールは膨大です。企業はどのように使い分けをするべきかでしょうか?

シン氏:仰るとおり、大量のソリューションが存在します。キャンペーンの実施や価格付けに特化したものから、非常に大規模で複雑なものまで多様です。チームによってはこれらのソリューションを活用するべきタイミングもあるでしょう。

 一方で、ビジュアライゼーションとデータディスカバリーのためのツールはどのチームにも必要不可欠だと考えます。例えば、複雑なアルゴリズムを使った価格設定やプロモーションの分析をする場合、多種多様な仮説立てや、それに対する検証を繰り返す試行錯誤、ターゲットの設定に関する試行錯誤が迅速にできることが重要です。さきほど申し上げた通り経験とデータの両面から、土台作りをする必要があります。

 その際に、膨大なデータの可視化のみならずある程度高度な分析をできるソリューションを利用するのか、 さほど大きくないデータをExcelだけで可視化すれば済むのか、どちらが適切か考えるべきでしょう。そしてツールを評価する際には、分析力、使い勝手、視覚的表現力の3点を基準にすると良いでしょう。

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/02/24 20:04 https://markezine.jp/article/detail/23908

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