学生を中心にファンの間で一気に拡散
アドビシステムズ(以下、アドビ)は、アドビのクリエイティブ製品すべてを使える「AdobeCreativeCloud」の学生・教職員向け学割セールを実施。そのプロモーションに、人気アニメ「おそ松さん」のキャラクターを起用し、アドビ学生向けTwitterアカウント(@AdobeStudentsJP)にてオリジナル限定ムービーを公開した。同時に、リツイートした人の中から抽選で商品が当たるキャンペーンも開催している。
おそ松たちがアドビの学割セール宣伝担当に就任!? 今だけのTwitter限定ムービー第1話配信開始♪ セールの詳細は⇒https://t.co/je1d6tz1Tj RTでグッズが当たるチャンスも #おそ松さん学割 https://t.co/j5O4m88hvm
? Adobe Students Japan (@AdobeStudentsJP) 2016年3月3日
テレビアニメ「おそ松さん」は赤塚不二夫生誕80周年記念作品として制作され、「おそ松くん」の主人公である六つ子が成長して大人になった姿を描く。六つ子はそれぞれ個性的な性格で、全員がニートだ。演じる声優陣の豪華さも手伝い、「社会現象化」と言われるほどの人気ぶりを見せている。
「おそ松さん」のキャラクターが学生に呼びかける形で作られたアドビのプロモーションムービーは、3月3日の第1話配信を皮切りに、不定期で全7話の公開が予定されている。第1話のムービー配信後、わずか17時間で10,000リツイートを超え、アドビ学生向けTwitterアカウントのフォロワー数も一気に4,000人以上増加した。セールの認知拡大としては、過去最大の成果が上がっているという。今回、このプロモーション施策を担当したアドビの鈴木依子氏に企画の背景や、企業と人気アニメとのコラボのポイントを聞いた。
――今回の企画の背景はどのようなものだったのでしょうか。まず、配信先としてTwitterを選んだ理由からお教えください。
鈴木氏:学割セールということで、当然学生さんにリーチしないといけないわけですが、今は個人の興味も分散していますし、ある特定の層に向けて効果的にアプローチできる媒体というのはありません。ですが、Twitterには「学生(同級生)同士」や「クリエイティブに興味を持つもの同士」といった繋がりが存在しています。そのため、似たような趣向性を持つ人たちに口コミで広がることが期待できますし、アドビ製品との親和性の高さもあると判断し、Twitter限定公開という形にしました。
“上から目線”にならない魅力がある「おそ松さん」
――「おそ松さん」でいくということは最初から決まっていたのでしょうか。
鈴木氏:いえ、企画検討は昨年の12月頃からはじめていましたが、その時点では芸能人や他のアニメ作品も候補に挙がっていました。私自身も「おそ松さん」のタイトルやその盛り上がりは耳にしていましたが、実際に視聴したことはありませんでした。
――そんな中、「おそ松さん」を選択した理由とは?
鈴木氏:多くのユーザーさんの支えによって、アドビのブランドイメージはすでに確立したものがあります。ブランドがもたらす信頼感により、アドビ製品を選んでいただいていることも多いでしょう。ただ、新たにユーザーになっていただきたい学生の方の場合、ブランドイメージの強さを敷居の高さとして受け止められていることもあります。学生さんの場合、Photoshopを学校などで触ったことがあったり、製品名は知っていたとしても、実は検索すらしてもらえない状況にあるのです。普通にセールの案内をしても、なかなか目に留めてもらえません。
一方、プロユーザーの方からは「学生のうちに学割でアドビ製品を買って勉強しておけばよかった」といった声がよく聞かれます。それを代弁し、学生さんたちにセール情報を届けるのに最適な人は誰かと考えました。そこで白羽の矢が立ったのが「おそ松さん」でした。学生さんからも人気があり、身近に感じてもらえるキャラクターだったからです。芸能人やプロを含めた大人からの“上から目線”にならないのではないかという期待を持てたのです。大人になった「おそ松さん」は学生ではありませんが、ニートという設定です。それがある意味、社会人とは違う、自分たちに身近な存在として受け止められているのではないでしょうか。しかも、「おそ松さん」をアドビの宣伝担当に就任させることで、その意外性でブランドイメージをお持ちの方にも「あれ?」と思っていただけますし、ファンの方からは「ニートを卒業か!?」と話題を呼べるのではないかと企画しました。
また、今回の企画を行っている学生向けTwitterアカウントのフォロワーさんを見渡してみると、アニメ作品のアイコンを使っている方が多いことは前々から認識していました。さらに、そのアイコンも昨年から「おそ松さん」を使ったものが増えてきたことに気づき、「これはイケる」と思った次第です。