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MarkeZine Day 2016 Spring

リアル小売の逆襲が始まる。オムニチャネル推進で720万円のダイヤを売るコメ兵の戦略

自社の強みを最大限活用し顧客を呼び込む

 他店取り寄せなどを行う場合、気になるのは輸送にかかるコストだ。コメ兵では、この輸送コストは度外視でEC関与売上の増加を目指しているという。

 「図の灰色部分は、自社ECなどでの売上を指しているのですが、4年間で横ばいという状況です。しかし、赤いグラフで示したEC関与売上は確実に伸びています。WEB事業部門のミッションは、WEBを使って全社売上を最大化することなので、伸びている分野に関してはコスト度外視で推進しています」(藤原氏)

 また、藤原氏は「自社の強みを最大限活かすため」にEC関与の売上向上に注力しているという。

 「実店舗で長年培ってきた販売・接客ノウハウは、自社の強みであり、それを活かしたいと考えました。特に高級品を求めるお客様は、手に取って状態も確認したいし、バイヤーの意見を聞きたいはず。弊社としても、接客の方がアップセルやクロスセルが可能になるため、メリットが大きい。つまりオムニチャネルを設計する上で重要なのは、お客様中心に自社の強みを発揮できるか、という点なのです」(藤原氏)

商品を主軸にしたアプリ設計

 また、コメ兵がオムニチャネル推進において注力したのは同社のスマートフォンアプリの展開だ。そこにもリユース事業を展開する企業ならではの工夫を施していた。

 「ほぼ毎日更新していて、理由は2つあります。1つはアプリとお客様の接触時間を高めるためです。日常的にアプリを使って頂けないと削除されてしまうのです。もう1つは、ロイヤリティの高いお客様を引きとめるためです。リユースの商品というのは1つとして同じ商品はありません。ロイヤリティが高いお客様ほど、新商品がないかをチェックする頻度も高い。そういった方を逃してはいけません」(藤原氏)

 また藤原氏は、特に効果的な機能として「バーコードスキャン」を挙げる。店頭で迷ったが購買には至らなかった商品のバーコードをスキャンし、登録すると、同じ商品が現れた際に通知が来る機能だ。

「今まで購買意欲の高いお客様は追えていなかった。これはかなり大きな変化でした」(藤原氏)

バーコードスキャン機能

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オムニチャネル推進に向け、大規模な組織改編

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この記事の著者

渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。
執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。
会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/04/18 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24242

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