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Adobe Summit 2016 レポート

サードウェーブがマーケティングを変える/垣根を越えたパーソナライズを可能とするアドビ「Co-op」


デバイスを使っている「人」がわかっても個人は特定されない

 Adobeは、顧客IDとHTTPヘッダーデータを個人を特定されないように暗号化・ハッシュ化する。そして、そのデータを処理して、個人の使う複数のデバイスを特定し、グループを作成する。「Co-op」会員企業は「Adobe Marketing Cloud」を通してそのデータへアクセスする権限が与えられ、デバイスをまたいで個人を対象に、ログイン前から測定、セグメント化、ターゲティング、広告配信できるようになるというわけだ。

デバイスをまたいでログイン前からパーソナライズが可能
デバイスをまたいでログイン前からパーソナライズが可能

 いずれかのデバイスで一度はログインをする必要があるが、それ以降は他のデバイスでもログイン前からそのデバイスを使っているのが「誰か」という「人」を認識できるのだ。ここまで個人をフォーカスできるとなると、気になるのが個人情報、プライバシーのことだろう。

 「Co-op」では、氏名、メールアドレス、電話番号、サイトの訪問履歴などの機微な個人情報は会員企業間で共有されないため、クロスデバイス技術に通常伴う主なプライバシーの懸念は解消されるとしている。データの収集も匿名かつユーザーの承認を得た上で行い、ユーザー自身によるオプトアウトも可能だ。とはいえ、Adobeでもプライバシーについては慎重な姿勢を示している。「Co-op」は、まず米国でプライベートベータプログラムを実施し、2016年末までに正式にサービスを開始する予定だ。国ごとに異なる個人情報に関する法律に考慮しながら、順次グローバルに展開していくとしている。日本での展開は現時点では未定。

 レンチャー氏は、「マーケターは製品を売るのではなくエクスペリエンスを売る存在になる。これが新たな現実である」と強調した。エクスペリエンス時代のマーケターにとって、「Co-op」は強力な武器になってくれるだろう。「デジタルマーケティングは誰のためにあるのか? あなたのためでもないし、私のためでもない。Adobeのためでもない。人々のためにあるのだ」(レンチャー氏)

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/03/13 16:30 https://markezine.jp/article/detail/24264

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