グローバル視点でのスマートフォン広告市場
スマートフォン広告(モバイル広告)市場の急激な成長は、日本だけではなくグローバルで進んでいます。日本のスマートフォン広告市場はどのように位置づけられるのでしょうか。
下図は、米国の調査会社eMarketerが公表している、国別のモバイルインターネット広告費の一覧です。

2015年の上位を見ると、1)US、2)China、3)UK、4)Japan、5)Germanyの順となっています。Japanの市場規模は我々の推計よりも小さいですが、我々の推計値で置き換えたとしても順位は変わらなさそうです。
続いて、モバイル広告比率見ましょう。下図は、モバイル広告費上位の5か国について、デジタル広告費全体に占めるモバイル広告費の比率を比較したものです。

広告費規模で突出しているUSで53%、それに次ぐChinaでは55%となっており、我々が推計したJapanのスマートフォン広告比率54%とほぼ同等の数値であることが確認されました。
モバイルシフト度という観点では、日本もかなり進んでいるのではないかと考えます。
モバイルシフト×運用型シフト
今回の調査では、インターネット広告媒体費を広告種別(運用型/予約型/成果報酬型)で分解し、更にデバイス(スマートフォン広告/PC広告)を組合わせた区分での市場規模と成長率の推計も行いました。改めて確認できたことは以下の2点です。
- スマートフォン広告へのシフト(モバイルシフト)
- 運用型広告へのシフト
これらは独立した事象ではなく、密接に関連していると思われます。
インターネット広告媒体の中で最も大きな規模を占めるのは、すでに運用型広告(スマートフォン)の領域でした。検索連動型広告、ソーシャル広告、その他運用型広告(運用型で取引されるアドネットワークやDSPなど)の運用型広告はいずれもスマートフォン広告比率が高く、ゆえに成長率も高くなっています。
生活者のインターネット利用のモバイルシフトが進む中、広告費のモバイルシフトは必然であり、スマートフォンを前提としたメディア環境においてよりマネタイズに適していたのが運用型広告という手法であったと推察されます。