投資に対する効果を明確に
MZ:ここからは実際の効果に関してお伺いします。もともと感じていた課題感は解決されましたか。
中條:そうですね、着実に改善されているので、解決に近づいていると思います。実際に落ち込んでいたエリアへの動画広告の配信がブランドリフトにつながっていたことを確認したので。くわえて、複数回実行したデータをもとに基準値を割り出しているのですが、この基準値をもとに広告配信すると、一定の精度で想定通りの結果が導けるようになりました。
また、3ブランドで行った結果、1ブランドだけ上がらなかったのですが、それも原因を明確にできたので良かったです。
MZ:何が原因だったのでしょうか。
中條:広告がリーチできていて、フリークエンシーもそれなりにあったんですが、最後まで見られてなかったんです。画面に一瞬映っても、そこから見入ってもらえていなかった。これはクリエイティブなどの問題もあるので、改善の余地があることがわかりました。
MZ:テレビCMの担当の方からはどういった反響がありましたか。
中條:反響というよりは、より密な連携が取れるようになりました。前まではデジタルとマスはそれぞれ閉じた指標で見ていたのですが、テレビと動画広告を同じ基準値のもと検証できることで、どれくらいの相乗効果があるかを確認することができるようになりました。
今後は様々なデータと連携して最適化
MZ:最後にそれぞれから今後の展望についてお伺いしたいと思います。まずは宮田さんからお願いできますか。
宮田:今後実現したいと考えているのは、テレビCMを補完をする上で必要な複数のWebメディア媒体における出稿量の把握と運用の最適化です。いまは単一の媒体でしか成立しない仕組みになっているので、この課題を解決するソリューションを提案したいと思っています。
MZ:中條さんはいかがでしょうか。
中條:今後は今のスキームを様々なメディアを統合して行っていきたいと考えています。くわえて、今回行ったブランドのみならず、他のブランドにも横展開していきたいです。
また、現在はパネル調査、つまりアンケートで状況を把握していますが、今後はテレビの視聴ログといったデータも活用したいと考えています。また、テレビを見ているかを可視化する手法も登場してきているので、各種データを組み合わせ、最終的にはメディア統合型のPDCAスキームを確立することが理想です。
MZ:自社独自で広告効果を検証できるスキームができると全体のROIも最適化できそうですね。
中條:テレビやデジタルメディアといった個別メディアの最適化ではなく、お客様視点で統合されたアプローチとなった時のROIが的確かを把握できるようにしたいと思います。
