国産ならではの使いやすさと、実用的な機能を1つのツール上で提供
オウンドメディア領域のコンサルや制作、システムなどのワンストップ・ソリューションを提供してきたトライベック・ストラテジー(以下、トライベック)。主にデジタルマーケティングとデータプラットフォームの2つの事業を展開している企業だ。
同社の中で佐孝氏は、デジタルマーケティング事業でのコンサルタントを経て、今年6月に現職に就任。コンサルで培ったノウハウをもとに、今回紹介する「HIRAMEKI management(R)(以下、HIRAMEKI)」の開発リーダーを務めている。清野氏は、もともと販促やデータ分析など幅広い業務に携わり、HIRAMEKIの開発当初から専任の担当として、営業や運用サポートまでトータルに関わっている。福聚氏は、クライアントのコーポレートサイトやECサイト、社内システムなどに幅広く携わるシステムエンジニアで、HIRAMEKIに関してもシステム設計をはじめ、クライアントへの導入時の実装部分全般を担当している。
では早速、HIRAMEKIがどういったマーケティングプラットフォームかを紹介する。2015年9月に一部機能を先行リリースした同ツールは、2016年2月にマーケティングオートメーション機能(以下、MA機能)を追加し、正式版としてリリースされた。さらに2016年5月にインバウンドマーケティングを強化するサイト構築機能を追加している。
同プラットフォームでは、ウェブサイト上のユーザーの行動を様々な分析機能で“見える化”し、そこでわかった問題点を解決するためのメール配信やレコメンドなど、ユーザーへアプローチする機能、これらの機能を兼ね備えたMAツールとなっている。
開発に至った3つの理由
そもそもなぜ、HIRAMEKIを開発するに至ったのだろうか。開発の経緯を聞いたところ、現在のマーケティングに潜む3つの課題を解決するためだという。
1つ目の課題は、ツールの機能とマーケターが求めているものにギャップが生じている点だ。昨今、MAツールを中心に、先行リリースしていた海外のツールを導入する企業が増えている。しかし、英語を無理矢理ローカライズしたもので日本語の表現がわかりづらい、またツールの学習コストが高く担当者が使いこなせない機能が多いといった問題もよく目にしていた。そのため、トライベックでは国内のマーケターでも海外ツールの活用に苦しんでいる人向けに、自ら使いこなせるツールの開発を目指した。
同社は2つ目に、費用対効果に見合わない価格設定のツールが多いという課題を挙げた。先述したような海外のツールは、インフラ整備などが必要でかつ導入コストも大きい。その上使いこなしきれない機能が増えれば、費用対効果を考えた時に損するケースもある。そのためHIRAMEKIでは、必要な機能を取り揃えつつ、価格を抑えたバランスのよいサービス設計にした。
そして3つ目は、行動の“見える化”から改善までの一連のプロセスを1つのプラットフォームで完結することができていないというものだ。デジタルマーケティングは、複数のサイトに対して様々なツールを使った結果、ほとんどが個別最適化に留まってしまう。
その課題に対してHIRAMEKIでは、企業が持つコーポレートサイトやECサイト、キャンペーンサイトなど複数のサイトを横断して、ユーザー行動を一括分析。さらに、発見した課題に対してのアプローチまで、簡単に扱える機能が提供されている。
「HIRAMEKIではBtoB、BtoCに関わらず、より多くの企業様のオウンドメディア運営に実践的に活用していただけるツールになっています。もちろんツールを提供するだけでなく、その後のコンサルティングまでしっかりお手伝いさせていただきます」(佐孝氏)
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黄金ルートが見つかる!“オートジャーニーマッピング”
ここからは、具体的な機能について伺った。現在クライアントから最も良い反応を得られているのが、サイト上のコンバージョンに対して、どの情報(コンテンツ)がどのタイミングで効果的だったかが一目瞭然となるオートジャーニーマッピング機能だ。分析をいかに簡単にするかを極めたもので、複数のサイトを横断して、コンバージョンに対し効率的、非効率的なコンテンツを次のような一枚の図に表示することができる。
縦軸はユーザーが最初にサイトに来訪してからコンバージョンするまでの時間軸、横軸はコンバージョンの貢献度を表す。コンテンツの色の違いはサイトの違いで、各コンテンツの円の大きさはユーザーの閲覧ボリューム(PV数)を反映している。
同機能であれば複数のサイトをまたいだ全体像が見えやすい。さらに、この図をもとに理想的なカスタマージャーニーも自動抽出することも可能だ。
「Googleアナリティクスなどでもコンテンツの貢献度は導き出せますが、どの担当者も気軽にできるものではないですし、外部のコンサルタントに頼むと費用がかかります。それを簡単に行える機能ですので、かなり幅広く活用していただけるのではないかと思います」(佐孝氏)
「マッピングの計算ロジックに関しては相当こだわりました。様々なユーザー行動を想定してロジックの検討を何度も見直しており、わかりやすく表示するよう工夫しています」(福聚氏)
MAの要素も含む、施策機能
またHIRAMEKIでは、フォーム・リスト・メールの3つの機能で見込み客の獲得から育成を行える。フォーム機能は、HIRAMEKI上で簡単にお問い合わせフォームなどをつくることができるもの。ドラッグ&ドロップで好きな項目を個別に足し引きできて、セミナーの集客フォームやアンケート、キャンペーンの受け口などに活用できる。フォームで獲得したユーザーに関しては、リスト機能で、ユーザー属性やサイトでの行動結果を基にセグメントを直感的に行うことができる。最後にメール機能は、リスト機能で作成したセグメントを活用したメッセージ送信や資料ダウンロードなどユーザーのアクションから数日後に自動メールを送ることが簡単に行える。
このように、分析とアクションを結びつけやすいという大きな特徴の他にも、カスタマージャーニー分析では、フォームのアクションまで一斉分析が可能。さらに離脱したユーザーに関してもセグメント後にメールなどでアプローチでき、その離脱ユーザーへのおすすめコンテンツまでもがわかる仕組みになっている。
「改善点はわかった、でもどうすればいいの?という疑問の答えまで、HIRAMEKIではその場の分析画面上で即表示できるようになっています。初心者でもわかる設計を心がけていて、自己のスキルを高める学習ツールとしても役立つと思います」(佐孝氏)
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4パターンから選べる、ウェブサイト構築機能
さらに、分析や施策のみならず、サイト構築を可能にしているのもHIRAMEKIの魅力だ。種類は、コーポレートサイト、採用情報サイト、キャンペーンサイト、ランディングページの4つ。構築方法は説明に従い、必要な画像やテキストを登録していくのみ、つまりコーディングなしで一般的なサイトを立ち上げることができる。企業サイトや採用サイトをもっと簡単につくりたいという企業にとっては、特に重宝する機能だろう。
「制作したサイトは、もちろんHIRAMEKIの分析や施策に関する機能と連携します。つくって終わりにならず、データの収集から今後のアクションまで、簡単に活かせます」(清野氏)
「サイト構築時は、サーバーの準備も必要になりますが、HIRAMEKIでは当社が準備しますのでそれも不要。わずか4ステップ、最短5日ほどで立ち上げることができます」(福聚氏)
早くも、効果を出す企業が続々
リリース以降、導入企業が増えている中、実際にクライアントがどのようにHIRAMEKIを活用しているのか伺った。
まず、金融機関のクライアントで分析機能を使ったところ、初心者向けのコンテンツが、想定以上にユーザーに刺さって、コンバージョンに寄与していたということが判明した。その後、その示唆をもとにコンテンツ拡充を行い、初心者には初心者コンテンツを優先的におすすめするなどのアプローチを行い、現在も取り組みを続けている。
また、サイト価値算出機能を中心に、そのサイトがビジネスに対しどれほど貢献しているかを把握するのに利用されるケースもある。この機能は同社のグループ会社であるトライベック・ブランド戦略研究所が、毎年発表しているウェブサイト価値ランキングと同じ指標で計算できるというもの。「サイトの閲覧」「特定のアクションに対しての行動」「ECでの売上」という3つの価値体系から、サイトそのものの価値を算出する。サイト運営のKPIを設定しづらい情報サイトや広報部門からのニーズが多い。
そして今後、HIRAMEKIの開発はデータドリブンマーケティング部として運営しながら、データプラットフォーム事業を強化していく予定だ。HIRAMEKIの機能については、今月にはログ解析のリリースを予定しており、その中で基本指標取得に加え、リアルタイム分析やアクセスしてきた企業の特定も可能となる。
「今ある機能は、ユーザーの顕在化した悩みの種をピンポイントに除去していく機能が多いですが、今後は機械学習など新しい知見も投入して、潜在している課題まで大きく解決していくようなツールへブラッシュアップしていきたいと思っています」(佐孝氏)
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記事以外の事例も登場、オウンドメディア戦略の秘訣とは
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