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群雄割拠のデジタル領域でどう勝ち抜くか 博報堂DYデジタル、設立背景と今後の展望

バックグラウンドの異なる面々による“化学反応”に期待

MZ: 4月から営業を開始して数カ月が経ちましたが、社内の状況やクライアントの反応などはいかがですか?

辻:マーケティングにおけるデジタル化を志向するなら、そこにはデジタル以外の出身者も必要不可欠です。なので、社内には多様な経歴を持つ人材が集積していて、今まさにさまざまな化学反応が起こっているところです。

 たとえば、クリエイティブ系の者が新たな企画を発案すると、デジタルキャンペーンに長けた者が具体的な形を提案し、そこにデータ分析を得意とする者が加わってKPI設定やPDCAの回し方を考えていく。そんな動きがスピーディーに各所で生まれています。

 クライアントからは、これまでは博報堂や大広、読売広告社の営業が窓口になっていたのが、営業と我々の側のプロデューサー、そしてデータサイエンティストなどの布陣で相対するため、分かりやすく具体的な動きにもつなげやすいと聞いています。

MZ:博報堂DYデジタルとして外部からの中途採用、および来年度の新卒採用も始められていますね。具体的にはどんな人材を育成していくのでしょうか?

石川:先ほどお話ししたデータ、メディア、クリエイティブの3要素を一人で全てカバーするのは難しいので、本人の志向やキャリアを踏まえていずれかのスペシャリストを目指すか、これらを統合する役割としてプロデューサーを目指すかの2方向ですね。場合によっては博報堂などへ出向し、マスの経験を積んでもらうことも考えています。

博報堂と連携し、マスとデジタルの統合を進化させる

MZ:グループ間の連携もすでに進んでいるのでしょうか?

辻:そうですね。よく、デジタルマーケティング領域では施策の立案から実行を“ワンストップ”で行うことがよしとされますが、マーケティング全体を“ワンストップ”で行うのはあり得ない時代だと私は思っています。カバーする範囲が広すぎますし、マス広告などオフラインにはオフラインで培われた知見があるので、それを最大限に活かすべきです。

 その点、当社は博報堂のマーケターとも密にやり取りし、デジタルサイドの知見や発想を投げかけて、オフラインからフィードバックを得てまた進化するという、いいキャッチボールが生まれています。

MZ:では最後に、今後の展望と期待をお教えください。

石川:博報堂DYデジタルのロゴの末尾は「_(アンダーバー)」で結んでいますが、これは続く言葉として一人ひとりの社員が自分の強みを設定し、競争が激しい領域で変化を率先していく意味を込めています。部門や会社間を超えたチーム編成は我々の得意とするところなので、各人が強みを活かしながら、常に進化し続ける「エンドレス・アップデート」をキーワードに、グループ全体のデジタル化を推進していきます。同時に、メディアや他の事業者などパートナーとの協業も進めていく予定です。

博報堂DYデジタルのロゴマーク

辻:4月以降、たとえば当社保有のデータと第三者データ、クライアントのデータを掛け合わせて分析・配信できるソリューションなど、すでに複数のソリューションをリリースしており、実装を進めています。

 デジタル領域では、試して知見を得た後にそれをフィードバックしていくことが重要なので、先のエンドレス・アップデートは社員だけでなく施策や実践に関しても言えますね。デジタルは、生活者の環境や感じ方を今後も大きく変えていくと思います。その半歩先を捉えつつ、同時にマーケティングにおけるデジタルという俯瞰的な視点をもって、クライアントのマーケティング進化に寄与していきます。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/07/14 12:00 https://markezine.jp/article/detail/24766

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