そもそも複雑なスプリットテストは必要なのか?
BtoBサイトとアクセス解析の関係を解説した記事でも触れたように、BtoBサイトの流入数はそもそも多くないのが現状だ。そのため、少ない母数の中でいかにコンバージョンにつなげていくかという視点が非常に大切になる。直帰率を下げ、コンバージョンをアップさせる手法としては、LPO(ランディングページ最適化)が挙げられるが、ここでもBtoCサイトとBtoBサイトでは、その性質が異なってくるようだ。マーケティングソリューション推進部 サービス企画グループ 葉山智彦氏はその性質の違いについて下記のように解説する。
「BtoBはそもそもサービス・商品名、会社名での検索が多く、全体的な流入数はそれほど多くありません。今、世間で注目を浴びているLPOと言えば、画像などのクリエイティブの差し替えを行なうASPツールが主流です。流入数が少ない場合、多くの種類でスプリットテストやマルチバリエイトテストを行なっても、比較の値が小さすぎて有効な数値がつかみづらい。さらに、一般消費者向けBtoCサイトのように商品数が多くない場合、ユーザー属性によってクリエイティブを差し替えることも、LPOの最初のステップとしてはどうかなと思います。」要は、サイトの特性を見極め、それにあわせた“LPO“を考えないとなかなか成果に結びつかないのが現状のようだ。
【BotBサイトの特性】
1 流入数が少ない
→数多くの種類でスプリットやマルチバリエイトテストを行なっても数字の違いが分かり難い
2 商品数が少ない
→ユーザー属性もBtoCよりはシンプルに考えて良い
3 購買プロセス(サイトのゴール)が違う
→サイトだけで完結せずに、リアルの営業に繋げるケースが多い
「そもそもLPOとは、ランディングページの最適化なので、そういう意味では“LPO=ASPツール”ではなく、まずはページの課題を根本的に解決する事からはじめないといけません。しかし、今あるサイトを大幅に変えようとすると、サイト全体をリニューアルする事になり、かなりの費用や期間、労力が費やされてしまいます。また、複数の事業部によってサイトを管理している場合や、外資系企業のように本国の許可がないとページの変更ができない会社も少なくありません。大切なのは、ユーザー行動や購買プロセスを考慮し、ユーザーが必要としている要素をページの中でわかりやすく見せてあげることです。そこで、コーポレートサイトとは独立し、“広告のリンク先に特化した”1枚のランディングページを用意することが、効率的に広告効果をあげる1番の近道となります」
サイトの本体とは別に、検索結果から最初にランディングする簡単なページを設けておくことが手っ取りばやくサイトの課題を解決できるポイントであり、訪問したユーザーが必要としている情報を瞬時に把握できるチラシ的な1枚もののページを作ることが有効というわけだ。
それでは、コンバージョンに直結するユーザー行動をまとめたページとはどのようなものか、次ページで見ていこう。