日常に入り込み続けるモバイルアプリ
皆さんは日々の生活の中でスマホをどれくらい利用していますか? 朝起きてすぐにスマホをたちあげ、寝る直前までアプリを見ている人も多いのではないでしょうか。App Annieの調査結果でも、アプリの利用時間は伸び続けています。2014年第2四半期から2016年第2四半期でアプリの利用時間は2倍に成長しており、しかも、これはゲームのような特定のカテゴリだけの話ではなく、あらゆるカテゴリで起こっていることなのです。
このように急速に顧客接点のモバイルシフトが進む中、モバイル、そしてモバイルアプリへの適切な投資を行わないことはあらゆるビジネスにとってリスクですらあるといえます。現に、モバイルアプリ活用に成功した企業の事例はどんどんと出始めており、アプリに乗り遅れた企業との間で少しずつ差が開き始めています。
例えば、無印良品は2013年にアプリ「MUJI Passport」をリリースし、カタログ機能や店舗チェックインによるポイント付与、在庫確認など顧客のショッピング体験をサポートする各種機能を提供し、アプリが実店舗への送客にも貢献をしています。
また、今年の5月には、スターバックスのアプリが日本でも展開されました。アメリカでは既に顧客の間でアプリの利用が進んでおり、アプリ経由で注文・支払いをする機能「Mobile Order & Pay」経由の取引が注文の5%近くにのぼるとのことです。こういった流れは、今後日本でも進んでくるでしょう。
アプリビジネスが抱える課題の原因は「データの活用不足」
アプリがますます生活に浸透するなか、多くの企業がアプリをマーケティング戦略の一部に取り入れるようになってきました。一方で、アプリを導入した企業の中からは「苦労して開発したけど、全然使ってもらえない」「ダウンロードはされているけど、事業の成果に結びつかない」という声が出ていたり、アプリをまだ作っていない企業では「そもそもどんなアプリをつくったらいいのか企画がたてらない」という悩みを耳にしたりします。
このような声が頻繁にあがる原因はさまざまですが、1つはアプリの企画・運用において、データが活用されていないことがあげられるのではないでしょうか。つまり、データを見ないがために、企画や戦略の立案が担当者の直感任せになってしまい、自信をもって投資ができない、あるいは投資をしても成功確率があがっていないという結果になっているのではないでしょうか。
では、どのようにデータを活用すればいいのか。アプリの企画・運用のあらゆるフェーズにおいて、データを活用することが非常に重要になります。ここからは、企画から運用までの段階をおって、どのようなデータ活用が考えられるか幾つかの例を見ていきましょう