購入後のアクションやパフォーマンスにも配慮しよう
ここまでで見えてくるのは、社内に散在したユーザー情報が横断的に共有されて、一元管理できるプラットフォームが導入できていないことの悲劇ではないだろうか?
「お客様を獲得するまでは必死に取り組みながら、獲得できた時点でお客様へのケアが止まっている企業が多いと私たちは感じています。カスタマージャーニーという言葉がかなり浸透してきましたが、商品を初めて知ってからコンバージョンに到達するまでだけではなく、購入後のアクションやリピートする過程までも含めたカスタマージャーニーを考えることが、コンテクストマーケティングの実現には不可欠です」(安部氏)
そこで、サイトコアではコンテクストマーケティングに重要な観点を3つ挙げている。「コンテンツの管理」「コンテクストのインテリジェンス」「コミュニケーションのデザインと自動化」である。
「いわゆるコンテンツマーケティングで目にするのは、大量のコンテンツを作り置きした状態です。結局、ユーザーが自分で情報を探さないといけない。レコメンド機能があっても、メーカーの論理に乗っかった押し売りのような状態だったりします。こうした状態では、いつまでも欲しい情報にたどりつけない。やがて企業からユーザーが離れてしまう。私たちが考える3つの観点に共通して底流するのがコンテクスト。一人ひとりの文脈にかなった状態を提供することです」(安部氏)
一元管理した情報を通じて、一人ひとりの把握が可能だからこそ、そこから複数のモデルパターンを見出すこともできる。それらのパターンに最適化したコンテンツを作っておき、各パターンに適合するユーザーにコンテンツを自動で出し分けていく。それらを可能にするのが、サイトコアのプラットフォームであり、効率的でありながら、それぞれのユーザーに寄り添うスタンスを保つことができる。
顧客のライフステージにあわせて、コンテンツを出し分ける
それでは、サイトコアのWeb CMSを導入して、劇的にビジネスが改善した事例を紹介する。オランダやベルギーなどを中心にしたベネルクス企業であり、グローバルに展開するダノングループ傘下のNutricia(ニュートリシア)は、乳幼児の栄養食品を取り扱う世界的メーカーである。
一言で乳幼児といっても、たとえば1歳未満の乳児と1歳以上の幼児では、大きな違いがある。Nutriciaは、顧客を「妊娠活動中」「妊婦」「乳児(1歳未満)」「幼児(1〜2歳)」の4つのステージに分類。各ステージのユーザーをリアルタイムで判別しながら、コンテンツの出し分けを行い、見事に右肩上がりの成長軌道へと乗せ、現在も堅調に売り上げを伸ばしている。
まさしく、顧客の立場にあわせてコンテンツを用意し、発信できるというコンテクストマーケティングを具現化できる、サイトコアのプラットフォームが最も得意とするところである。
「Nutriciaは、2013年に事業統合するまで、各国単位で独自のCMSを使い、同社内のブランドごとでユーザーなどの各種情報をバラバラに管理していました。4つのステージごとに製品ブランドも分かれていましたが、各情報が横断的に情報共有されていないため、乳児のステージにいるユーザーに相変わらず妊婦ステージの情報を訴求しつづけるような事態が起きていました。
サイトコアのプラットフォームを導入したことで、これらの情報が統合。一人のユーザー情報がつなぎ込まれ、適切な状態に改善しながら、その人にあった情報が提供されるように生まれ変わりました」(堀内氏)
Nutriciaでは、月日とともにステージが変わるカスタマージャーニーを「マザージャーニー」と呼ぶようにして、母親(顧客)のステージと連携したコンテンツの提供を実現した。
コンテクストマーケティングのポイントや活用事例の
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今回記事にてサイトコアが解説した、「コンテクストマーケティング」に関する資料を現在配布しています。コンテクストマーケティングの基本的な考え方から活用法などを、米ミズノやロレアルといった企業事例を交え紹介します。詳細はこちらから