あえての新聞折込広告、その意図は
MZ:ソーシャルメディアやAbemaTIMESを活用して、サービスの利用を促進しているのですね。貴社では、7月に1,000万部を超える新聞の折込広告を展開しました。とても珍しい取り組みに見えたのですが、どういった意図のもと行ったのですか。

野村:社長の藤田は、AbemaTVの思想として「マスメディアを目指す」ということを掲げています。実際24時間、365日番組を編成しているので、やっていることはテレビ局に近い。その中で、AbemaTVをどのような形で伝えていくかを考えたとき、生まれたのが「インターネットテレビ局」という言葉でした。
そして、弊社はインターネットテレビ局として、どういったチャンネルやコンテンツがあるか、中でもおすすめのコンテンツは何かといったことを伝えたかった。それをビジュアルで表現できるものを考えた結果、新聞のテレビ欄というアイデアに至りました。
そこで、実際にその時期に放映される番組編成をテレビ欄に模して折込広告にしました。1,000万部を配布する際も、特定の地域に強い新聞などもあることから、地域ごとに折り込む新聞を変えたりしましたね。効果としても、出稿時期のダウンロード数に反映されていました。
広告媒体としても強力な媒体に
MZ:サービスは基本無料とのことですがマネタイズはどのように行っていくのでしょうか。
小池:広告が主になりますね。現在すでに数十社の企業に出稿いただいています。
MZ:具体的にはどういった広告が出稿できるのですか。
小池:短尺、長尺のスポットでCMを流すことができます。また、番組間にミニ枠を設けて、3分程度のスポンサードコンテンツを作るメニューなどもあります。
MZ:非常にテレビに似た広告メニューが用意されていて、かつ1,000万ダウンロードされているメディアに動画広告を配信できるのはすごいですね。
小池:そうですね。さらにCGM(Consumer Generated Media)と違い、プロがコンテンツを仕入れて、完全編成をしているので、信頼性は高いと思います。これまで、信頼性が懸念材料となってインターネット上での動画マーケティングに取り組めなかった企業の出稿が増えています。
またスマートフォンというパーソナルメディアで見る方がほとんどなので、視聴完了率も8割近くになっています。当初の想定は5、6割だったので、我々も驚いています。
学校や職場で「あの番組見た?」といわれるメディアに
MZ:最後に、今後の展望を教えてください。
野村:我々が目指すゴールから考えると、全然AbemaTVが何者なのかという認知が広がっていないように思います。ですので、マス、デジタルを含めブランディング目的の施策を今後も強化していきたいですね。
一方で、編成やコンテンツに興味を持ってもらうためのマーケティング施策も重要です。例えば、麻雀やアニメなど熱狂的なファンが集まるジャンルに特化したチャンネルをいくつか用意しているので、それらのカテゴリーに特化した施策もできればと思います。
MZ:小池さんはいかがですか。
小池:1、2年でキラーコンテンツを制作したいと考えています。テレビ番組が学校や職場で話題になることがあると思うのですが、「AbemaTVのあの番組見た?」といわれるようなコンテンツを今後出していきたいですね。