施策の検証と調査分析から課題抽出し、戦略を考える
それではいよいよ、デジタル広告のための「調査分析」について触れていきましょう。
限られた予算の中で成果をあげるためには、「1.広告効果の検証」「2.コミュニケーション戦略を考えるための調査分析」により、デジタル広告運用に必要な課題を抽出。媒体選定やシナリオ作成などの戦略に落とし込みます。その際に顧客ターゲットを明確にし、目標とするKPIや施策を具体化するなど、集客やデジタル広告運用の要件を、事前に整理する必要があります。
1.広告効果の検証
広告施策全体の効果を把握するために「施策全体のサマリー」を作成します。また、「広告施策単位の比較分析」「時系列の分析」「広告クリエイティブ別の分析」で詳細を深堀し、数値の変化から要因を特定し、改善すべきポイントがどこにあるのか把握します。
広告施策単位での効果検証で、把握すべきポイント
- 施策全体のサマリー:デジタル広告全体の数値を把握
- 広告施策単位の比較分析:媒体やメニュー単位で広告効果の良し悪しを判断
- 時系列の分析:日別や時間帯別での上昇、下降トレンドの変化や傾向値を把握
- 広告クリエイティブ別の分析:訴求別に広告効果の良し悪しを判断
次に、課題ごとに明らかにした改善すべきポイントに対し、施策ありきの部分最適ではなく、目標とするKPIのどこに連動するかを具体化し、施策案を出します。KPIとの連動性と施策の実現性、難易度、インパクトなどを考慮し、誰がいつまでに何をするかを課題管理表としてまとめ、ToDoリストとして関係者に共有します。それをもとに施策単位で検証を行い、課題管理できるようにします。

2.コミュニケーション戦略を考えるための調査分析
「1.広告効果の検証」の数値データだけでは、生活者との関わり方、自社の差別化要素の把握が十分にはできません。そこで、広告効果の検証の裏づけや生活者ニーズを探るため、定量と定性視点で調査分析し、仮説立てを行います。
アンケート調査とインタビュー調査の使い分け
- アンケート調査:アンケートデータを数値化し、生活者のトレンドや変化を定量的に調査分析
- インタビュー調査:インタビューや行動観察により、生活者のニーズを定性的に調査分析

デジタル広告を掲載する前後に生活者にアンケート調査を実施することで、バナーやランディングページの広告クリエイティブの要素検証や仮説の裏づけについて定量的に調査分析し、クリエイティブのブラッシュアップを図ることができます。
また、インタビュー調査では、広告効果データやWebサイトのアクセスログでは判断することができない生活者の意図や心理状況を定性的に深く探ることで、ペルソナやシナリオを作成し、潜在ニーズや原因把握、仮説構築に活用することができます。