縦型動画は「コミュニケーション」重視
縦型動画はスマホを縦向きのまま視聴するものを指します。こちらも主要なサービスを見てみましょう
C Channel
C CHANNELは「“女子の知りたい!”を動画で解決」をコンセプトとした女性のためのファッション動画マガジン。モデル、タレントを通じて、ヘアアレンジ、メイク、料理など女性の関心が高いテーマを中心に情報発信を行っています。
SNSで拡散されることを前提としたHowTo動画が中心で、40~60秒と視聴時間が短い動画であることも特徴です。
Instagram ストーリー
「Instagram ストーリー」は写真や10秒以内の動画がスライドショー形式で表示されるサービス。Snapchatのように投稿後24時間で自動的に消滅するのが特徴です。2017年1月、日本でもライブ動画配信が可能になり、「♡(ハートマーク)」の送信や配信者・送信者の双方でコメントができます。
LINE LIVE

LINE LIVEは誰でも簡単に動画のライブ配信、視聴が可能なサービスです。ライブ配信中はコメントを書き込むことが可能で、アーカイブを視聴する際も、ライブ配信中にコメントされたタイミングで書き込み内容を確認することができます。
今回ご紹介した縦型動画サービスの特徴は、横型動画に比べて視聴時間が短く、動画を「情報」として視聴していることです。さらに、SNSでのシェアやリアルタイムのコメント投稿のように、動画をきっかけとした“コミュニケーション”を重視している点も挙げられます。
視野が狭くなり映像としては視聴しにくいにも関わらず、なぜ上記のようなサービスには縦型配信が採用されているのでしょうか? 次の2つの画像を見比べると一目瞭然です。

キーボード部分にご注目。スマホを横向きにしたままコメントをしようとすると、キーボードが画面の4分の1ほどの大きさになってしまいます。一方、縦型動画であれば、普段LINEやメールで文章を打つ際と同様にキーボードが使えることがわかります。
つまり、縦型動画サービスの方が圧倒的に文字入力しやすいだけでなく、通常使用しているスマートフォンの操作性のままにコミュニケーションをとることが可能になっているのです。
動画市場の成長は縦型動画がカギになる!?
正直に申し上げると、縦型動画が出始めた頃に筆者は「視聴しにくいのでは? 映像の視野が狭すぎるのでは?」と懸念していました。しかし、実際に縦型動画のサービスを使ってみると、普段スマホを使用している時と同じ感覚で操作できて使いやすく感じました。そのため、「視聴のしにくさ、視野の狭さ」もあまり気になりませんでした。
従来のメディア向けに制作された動画コンテンツは「視聴するもの」でしたが、YouTubeやニコニコ動画におけるコメント投稿のようなSNS機能を経て、「視聴するもの」から「コメントして参加するもの」へ、そしてリアルタイム配信によって「撮影して投稿するもの」へと、在り方も多様になってきています。
テレビや映画のスクリーンでの視聴を前提とした動画は、おそらく今後も横型動画が主流でしょう。その一方で、動画を「情報」として視聴する場合やコミュニケーションを重視した利用の場合は、スマートフォンの利用スタイルである縦型動画に優位性があると筆者は考えます。今後も動画市場が成長して行くかは、この縦型動画をいかにリアルな体験の場としてユーザーコミュニケーションに活用していけるかがカギとなりそうです。