ユーザベースは、5月29日、戦略的なBtoBマーケティングを支援する「FORCAS(フォーカス)」をリリースした。データ分析に基いてアプローチすべき企業(アカウント)の予測が可能になる。
FORCASは、「予測する」のFORECASTと「集中する」のFOCUSを合わせた造語。同社が提供するSPEEDAの「自動ターゲティング」機能の正式製品版だ(α版は2016年9月より提供)。同機能を活用すると、SPEEDAの様々な構造化された情報を用いて、「広告宣伝費を今期増やす可能性が高い企業」「人材需要が高い企業」といったシナリオ軸で、営業確度の高い企業を即座にリストアップできる。現状ではSPEEDAのユーザー向けの有料オプションとなるが、将来的にはFORCAS単独での提供も予定している。
また、東京商工リサーチ、マルケト、セールスフォース・ドットコム、Sansanとパートナーを組み、FORCASは各社が提供するサービスと連携機能を持つ。同社はSPEEDAで培った企業・業界情報の生成、加工、分析に関わる知見、テクノロジーを活かし、ABM(Account Based Marketing)やPredictive Marketingの実行を、パートナー企業と共に実現していく。
企業ベースの構造化された情報をマーケティングに活かす
今回の発表に伴い、ユーザベースの佐久間衝氏にインタビューを行った。
「SPEEDAは企業・業界情報が集まっているプラットフォームです。自社で多くのアナリストを抱え、様々な情報を企業ベースで構造化しています。もともとは金融機関やコンサルティングファームの方々が、クライアント企業への提案を作るために、ソリューション営業の文脈で使われていました。
我々の強みは、企業をベースにした構造化された情報を豊富に持っていることです。そこに営業情報などを組み合わせれば、どこの企業をターゲットにすべきなのか、精緻な分析ができます。
徐々に事業会社のユーザーも増え、SPEEDAの情報をマーケティングや営業の領域で活用できるように、そこに価値を向けたものを作っていきたい。そのような思いから、この度のFORCASの提供に至りました。現在はSPEEDAの有料オプションですが、年内を目処にFORCAS単独でのサービス提供も予定しています」
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