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統括編集長インタビュー

「Salesforce DMP」始動、DMP×CRM×AIだからこそできるデータ活用の未来

 セールスフォース・ドットコムは6月13日、データ管理プラットフォーム「Salesforce DMP」の国内での提供を開始した。同社は昨年、DMPを手掛けていたスタートアップのKruxを買収したが、このDMPをマーケティングプラットフォーム「Salesforce Marketing Cloud」に組み込み、高度なクロスチャネル型の広告配信や、ユーザー企業同士のデータエクスチェンジなどを可能にする。同社ディレクターの松本英人氏は、「匿名データと非匿名の顧客データを分けて捉え、それぞれの特徴を踏まえて融合させることで、データのポテンシャルを最大限に引き上げられる」と語る。

「Salesforce DMP」がいよいよ始動

押久保:昨年、Kruxを買収されたことはニュースになりましたが、「Salesforce DMP」としていよいよ提供が開始されました。今回は、この件が発表された御社のイベント「Salesforce Data Matters」での話も交えて、Salesforce DMPでどういったことが可能になるのかをうかがいます。まずは、イベントのハイライトなどを教えていただけますか?

セールスフォース・ドットコム Marketing Cloud  Advertising Studio + Kruxディレクター 松本英人氏
セールスフォース・ドットコム
Marketing Cloud Advertising Studio + Kruxディレクター 松本英人氏

松本:5月16~18日の3日間、米ラスベガスで開催したSalesforce Data Mattersはおかげさまで盛況で、約500名の方に参加いただきました。完全招待制、かつデータ領域をこれだけ掘り下げたイベント自体、とても珍しかったと思います。

 ここで発表された大きなトピックの1つが、KruxをSalesforce DMPとしてSalesforce Marketing Cloud(以下Marketing Cloud)に組み込むことでした。会場では、Krux時代からの優良顧客であるロレアルやハイネケンによる事例のシェアや、ガートナーのリサーチ担当VP、Martin Kihn氏の講演もあり、好評でした。Kihn氏には、テクノロジー領域の今後の潮流などをわかりやすく解説していただきました。

押久保:特にどのような内容が印象的でしたか?

松本::大きくは2つありました。1つは、各種キーワードの成熟度や人気度を表す同社独自の「Hype Cycle」において、テクノロジー領域の最新版で最も注目されているコンセプトが「デジタルマーケティングハブ(※)」だったことです。

※デジタルマーケティングハブ:顧客情報やサイト閲覧履歴、SNS情での行動情報などあらゆるデータを統合し、One to Oneのアプローチを可能にするシステムや仕組みの総称。詳細:ガートナー用語集

 ちなみに、デバイスを横断してデータを統合する「クロスデバイス・アイデンティフィケーション」が、これからブームとなるイノベーションの初期段階に位置づけられていたことも、示唆に富んだ内容だと感じました。

匿名データと非匿名データを融合させる

押久保:もう1つは、どういった内容ですか?

松本:DMPとCDPを橋渡しする存在が、デジタルマーケティングハブだということです。日本では混同して扱われることも多いので、ちょっと複雑なのですが、前提としてデータには「匿名データ」と、「特定顧客のデータ」の2種類があります。一般的には、前者を扱うのがDMP、後者を扱うのがCDP(カスタマーデータプラットフォーム)と区別しています。

 いわゆる自社が有する顧客情報、ファーストパーティーデータといわれるものは、後者に分類されますね。一方でセカンドやサードパーティーデータは、匿名データです。

押久保:なるほど。

松本:今、先進企業はこの2つをどう連携するかに取り組んでいます。様々なチャネルを横断してID同士を紐付けて統合し、施策の実行基盤であるCMSと連携したり、実際にメールや広告配信といった施策につなげたりしていく。つまり、DMPとCDPを包括的に捉えて活かすのがマーケティングハブという概念で、それが今最も注目を集めているというわけです。

 以前から、アドテクとマーテクの分断という課題が挙がっていましたが、DMPはどちらかというと広告配信を最適化する仕組みとして広告の文脈で広がってきました。

 一方で基本的に顧客を対象とするCDPは、マーテクとして広がったものです。これらを融合させることが大事だというメッセージは、まさにそれをSalesforce DMPを通して実現しようとしている我々にとって、力強い話でした。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/07/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/26658

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