効果につながるメールクリエイティブ改善の進め方
長くメールマーケティングを続けていると、必ず突き当たるのが「いつ、どうやってメールをリニューアルするか」という悩みだ。
リニューアルのきっかけは、「反応や効果が頭打ちになる」「内容がマンネリ化している」など長期運用ならではの課題から、「テキストメールよりもHTMLのほうが視覚的にアピールできそうだ」「スマホの普及にともないレスポンシブ対応を検討したい」など、表現やテクノロジートレンドにまつわる課題まで様々だろう。
そんなメールリニューアルを成功させるポイントは何か。チーターデジタル マーケティングアウトソーシング部 クリエイティブサービスグループ マネージャーの金子亜美氏は、川又氏と同じく「まず、何を実現したいのか、目的を明確にした上で、『スケジュール×目的×コスト』の掛け合わせで、計画を立てることが必要です」という。
目的や投資できる費用は企業によって異なるが、スケジュールの立て方はどの企業にも共通する。はじめに大切なのは「デッドラインを確認すること」だ。
たとえば「半年後にメールをリニューアルする」という計画を立てるとしよう。準備期間はたくさんあるように思えるが、実際に決めるべき事柄や予算取り、効果検証などのフェーズを設定していくと、意外と残された時間が少ないことが見えてくる。つまり、デッドラインを決めて逆算することで、ぼんやりした「半年後のリニューアル」という目標が、具体的な計画へと変わっていくのだ。
さらにもう1つ、留意すべきことがある。「やりたいことは最初にできる限り洗い出す」ことだ。金子氏によると当初掲げていた目的に応じてメールを制作していたところ、制作途中に別の課題が持ち上がったことで方向性が大きく変わり、最終的に何の結果を見ればいいのか把握が難しくなった、というケースもあるそうだ。「現状の課題や目的をすべて洗い出したら、優先順位を決め、きちんと効果検証するようなリニューアルプランを立てる必要があります」と金子氏は強調する。
代表的な5つのメールリニューアル手段
「クリック率を上げる」「売上を上げる」「新しいサービスを認知してもらう」などメールの目的は様々だ。これらの目的を達成するためのクリエイティブ改善には、具体的にどのようなやり方があるのか。金子氏は、「クリエイティブのリニューアルにおけるアクションは、大きく次の5つに分けられます」という。
部分最適化とは、リンクボタンの位置や色、ボタンのテキストの見直しや、ヘッダーやフッターの表現を変えるなど、一部をリニューアルすることだ。デザイン変更は、文字通りメールのデザインを変えることだが、必ずしも大幅な変更を必要とはしない。レイアウトや表示するコンテンツの順番を変えるだけで、大きな効果をもたらすケースも多いという。
また原稿形式リニューアルとは、コンテンツは変えず、ユーザーの閲覧環境に応じた形式に変更すること。コンテンツ変更とは、メールで送るコンテンツを整理して、アピールしたい内容を明確にすること。最後のフルリニューアルは、原稿形式・コンテンツ・デザインのすべてを全面的に改善する施策だ。