取り組み前に考えていた期待と不安
MZ:ここからは調査の詳細についてお伺いします。まずどういったクリエイティブを配信したのですか。
中村:2017年1月14日から2種類のTVCMを15秒と30秒の2パターンで放映しました。その中から15秒のパターンのものをLAPでも配信し、調査を行いました。
MZ:ちなみに、クリエイティブの中ではどういったメッセージを伝えたんですか。
中村:今回のクリエイティブを作成する少し前、カーセンサーのタグラインを「どんなクルマと、どんな時間を。」に変更しました。このタグラインには、どんな車を選ぶかによって、そのあと過ごしていく時間、生活スタイルが変わっていく、それを想像しながらクルマ選びを楽しんでほしいという意味が込められているので、それが伝わる内容を目指しました。
これまで、リクルートのメディアのほとんどは探せるというところに価値を置いていましたが、現在では検索エンジンがその役割を代替しつつあります。今後は我々がカスタマーの知らなかった選択肢を提案して、想像以上の未来を実現するお手伝いができるということもクリエイティブの中で伝えたいと考えていました。
MZ:調査を行う前、どういった結果になりそうか予測していましたか。
中村:広くリーチできるということは知っていたので、認知という面にはとても期待していました。しかしながら、LINEは友人や家族などと連絡を取る手段でもあり、他のSNSに比べるとクローズドなメディアだと思うので、広告に対してネガティブな反応が出るのでは、という懸念もありました。もちろん、トーク画面上に出るわけではなく、タイムライン上に配信されるので区分があるものの、カスタマーがどう認識して区別しているかはわからないので、少し不安でした。
調査項目すべてにおいて高評価に
MZ:実際にどういった調査を行ったのか教えてください。
中村:今回は認知度、利用経験、興味度、好意度、利用意向度の5項目についてアンケートを行ったのですが、すべて上がっていました。特に懸念していた好意度も上がっていたのは良かったです。

MZ:では、調査前に考えていた結果以上だったというところでしょうか。
中村:下がるかもしれないというところから考えると良い意味でギャップのある結果でした。
また、今回男女年齢別で見た際に、20代と40代の男性の利用意向度が上がっていたんです。これまでカーセンサーでは20代の方にアプローチしきれていなかった課題がある中で、これも想定外でした。
MZ:ちなみに、今回の調査にあわせて、他のメディアで調査は行いましたか。
中村:同時期にYouTubeのTrueView、Facebookにて同じクリエイティブで配信および調査を行いました。すべてを同じ指標で調査できたわけではないのですが、3秒以上再生された回数で比べたときに、配信単価が最も安かったのはLAPでした。視聴完了になると、TrueViewのほうが安かったものの、それにLAPが続く結果でしたね。
MZ:今回の調査結果が、今後のプランニングに活用できると思いますが、いかがでしょうか。
中村:今回の調査で、TVCM以外でのリーチ拡大にWeb動画は使えるのかということを検証する目的がありました。今回の結果で、LAPは認知度や好意度向上に貢献できることがわかっているので、今後も重要なメディアのひとつとして活用したいと思っています。