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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

ハーゲンダッツ流UGCマーケはファンの声起点で

どう成果を判断しているのか

――UGCマーケティングやソーシャルマーケティングには、「それがどれくらい売上に貢献しているのか」という疑問が必ずついて回ります。どのように成果を測っているのでしょうか。

 現在、テレビCMは定番商品だけに絞っています。新商品は毎月1・2点リリースされますが、その度に新しいクリエイティブを用意していてはあまりに無駄が多いためです。

 そこで、新商品の認知経路としてUGCマーケティングやSNSがどの程度寄与できているかを調べています。具体的には、新商品購入者を対象に認知経路調査を行います。

 認知経路として一番多いのは店頭なのですが、SNSやオウンドメディア経由で知ったという人も増えており、2013年〜2015年の2年間でおよそ倍になりました。

 また、新商品が出るたびに広告調査も行っています。リツイートから商品認知につながっているのは全体のうち5%ほどなのですが、そこから8割の人は購買行動をとっていることがわかりました。

 元々ハーゲンダッツのことが好きな人が集まっているので、「知ったら買う」という流れができているということです。買ってくれる可能性が高い人たちに確実にアピールできている証拠ですね。

――SNS広告も出しているのでしょうか。

 かつてはアドを入れたこともありましたが、そうすると当然ながらキャンペーン全体のROIが下がってしまいます。

 広告に予算を投下するよりは、コミュニケーション面に注力し、ファンに集まっていただき、楽しんでもらうことが重要だと考えています。そうした方が自然で無理矢理感がなく、キャンペーンも企業の一方的なものに見えなくなります。

数だけではなく質を見ていく時代に

――これまでのUGC活用と、これから変わっていくであろうと感じられていることはありますか?

 情報量は爆発的に増えていっていますし、ユーザーが情報にフィルターをかけるのも上手になってきています。そのため、オーガニックの口コミを増やすということが、企業とユーザーのコミュニケーションにおいてとても重要になってくるでしょう。

 弊社の場合では、これまでは数重視で、リツイート数を増やす目的のキャンペーンが多くなっていました。しかし、これからは反応の質も見ていかなくてはなりません。

 そのためにも、景品ありきのキャンペーンではなく、インセンティブなしでもファンの方々により喜んでいただける企画を考えていかなければなりません。

 多くのユーザーは何か言いたいこと、表現したいことがあってSNSを利用しています。そこにうまくハマる企画ができればと思います。そして、オーガニックでの「ハーゲンダッツのこれがおいしいよ」という声を増やせるようにしていきたいと思っています。

――今後のUGC活用施策で具体的に考えていることがあればお教えください。

 前述の「クラブ ハーゲンダッツコミュニティ」内に『ショコラミント』(チョコミント)が好きな人たちが集まった「ショコラミン党」というコミュニティがあります。そこで、毎年マニフェストを募集して、「ショコラミン党党首選挙」を行っています。ここでは、マニフェストもUGCですし、党首に選ばれた方には、党首活動をレポートしていただきます。

 今はクローズドな場所での活動なので、こういったコアなファンのコミュニティ活動をSNSの方でも展開し、参加するユーザーを増やしていきたいですね。

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 17:40 https://markezine.jp/article/detail/27236

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