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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

定期誌『MarkeZine』特集

ブログ記事をネイティブ広告に活用する仕組み

ユーザーの投稿記事を企業のネイティブ広告に

――この3月、ネイティブ広告にUGCを活用する新たな広告メニューとして「ユーザーコンテンツ活用型ネイティブ広告」を出されました。これまでも、御社はコンテンツマーケティング支援に積極的だったのですか?

 はい。当社は今まさにコンテンツマーケティングサービスに注力しており、企業に対して主に次の3つのサービスを展開しています。

 1つは、はてなブログを活用した企業向けオウンドメディアCMSの提供。2つ目が、当社の編集スタッフによるコンテンツ制作。そして3つ目が、ネット上での拡散起点になる「はてなブックマーク」のネイティブ広告を使ったコンテンツ流通支援です。

――オウンドメディアを立ち上げたい・活性化したい企業のニーズは、やはり増えているのでしょうか。

 そう思いますね。背景には、配信して消えてしまうディスプレイ広告などと違って、資産として残る点に魅力を感じていることがあります。ある程度、クライアントサイドでコンテンツを抱えて、そこにユーザーを呼び込んでマーケティングにつなげたり、データをDMPに蓄積したりしていきたいという意向が強いです。

Netflixオリジナルのドラマ『火花』で活用

――ユーザーコンテンツ活用型ネイティブ広告は、昨年にNetflixオリジナルドラマ『火花』で実施した内容を今年正式に商品化したとのことですが、まずこの広告の仕組みと、企画した背景を教えていただけますか?

Netflixオリジナルドラマ『火花』 × はてなブログ特別お題キャンペーンの仕組み
Netflixオリジナルドラマ『火花』 × はてなブログ特別お題キャンペーンの仕組み

 ユーザーに「お題」を投げかけてブログ投稿を促し、その記事自体をネイティブ広告枠に掲載するコンテンツとして活用する、という仕組みです。

 前述のサービスの中で、我々はユーザー体験の観点から、ネイティブ広告枠のリンク先は必ずコンテンツの形にするというルールを設けています。たとえば、リンクをクリックしたら、通販商品のLPに飛んだ……といったことはNGにしています。

 ただ、そうすると企業は必ず広告枠に掲載するための「コンテンツを用意する」必要があります。2つ目の制作支援を利用しないクライアントには「何とかコンテンツを作ってください」としか申し上げられず、リソースや工数負担の関係上、なかなかコンテンツを用意できないという企業の課題を解決したいと思っていました。また、ユーザーが書いてくださる良質なコンテンツを企業のキャンペーンにうまく活用する仕掛けになるとも考えました。企業の一方的な発信ではなく、ユーザーだからこそ書ける・伝えることができるものがあると思いますし、ユーザーにとっても、自分の書いたコンテンツがたくさんの人に届くきっかけにしてもらえるかなと思います。

――自社でコンテンツを内製するのは、かなり負荷がかかりますよね?

 ええ。そこで着目したのが、別途はてなブログでずっと行っている「お題キャンペーン」です。これは元々、ブログを継続したいけれど書くネタがないというブロガーのために、記事投稿活性化の一貫で「カバンの中身」とか「ブログを書く理由」といったお題を提供しているものです。読まれることがブログを続けるモチベーションにもなるので、投稿は記事一覧ページに掲載するほか、はてなブログ編集部による「週刊はてなブログ」でピックアップしたりしています。

 その発展型として、数年前から企業スポンサードをつけて広告商品化した「特別お題キャンペーン」も販売してきました。KDDI、JR西日本、小学館など多様な業種のナショナルクライアントに活用いただいた実績があります。企業が訴求したい商材やテーマに沿ったお題を出すことで、ユーザーが投稿したコンテンツをプロモーションに活用できる仕組みです。投稿内容のコントロールはできませんが、かなり考え抜いて長い文章や質の高いコンテンツに仕立てて投稿するユーザーもいて、軌道に乗っていますね。数としては平均約200〜300本、多かったものだと500本くらい集まりました。

 そこで、この特別お題キャンペーンで集まった記事をネイティブ広告枠に掲載するコンテンツとして活用すれば、コンテンツが用意できないクライアントの悩みを解決できると考えました。お題を考えている間は、ユーザーは企業に関連するテーマに触れ続けるので、ユーザー体験とブランド接触が融合した新しいタッチポイントになっていると思います。同時に、記事を拡散して読んでもらいたいユーザーの利益にもなります。

応募記事一覧リンクが貼られた『火花』特別お題キャンペーンページ
応募記事一覧リンクが貼られた『火花』特別お題キャンペーンページ

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 17:45 https://markezine.jp/article/detail/27242

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