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キリンはなぜ今、チャットボット型接客ツールを導入したのか?その狙いとは

他社に先駆けたアドバンテージを 早い導入が功を奏す

――なぜ今、チャットボットを導入されたのでしょうか?

寺田:今回の「ワインすき!」への導入は、キリンとして初めてのチャットボットの導入事例です。これには、他社に先駆けて知見を得て、アドバンテージを得たいという狙いがありました

佐藤:チャットサービス自体は昔からあるものですが、チャットボットは、ここ2~3年で急激にサービスの数が増え注目されています。チャットボット型接客ツールを弊社が企画しβ版をリリースしたのが昨年の12月頃でしたが、その後ECサイトをはじめ金融機関や自治体など、幅広い業界からのお問合せが増え、需要の高さを感じます。 

 今後は導入して当たり前のツールになっていくはずです。チャットボットは、はじめから完璧なツールという訳ではなく、学習を重ねることで賢くなっていくものです。各Webサイトに適合するように、改善を繰り返して成長させていく必要があります。よって、本格的に活用するためには、なるべく早く導入してより良くしていくことが大切なんです

 来年導入されるWebサイトと「ワインすき!」を比較すると、回答の精度は全く異なってくると思います。

寺田:確かに、導入してみてチャットボットを成長させていくことの重要性を感じました。みのりさんもまだ完璧ではないので、ユーザーとの円滑なコミュニケーションが取れるように、PDCAを繰り返していきたいです。

Web上でもワインソムリエに相談できるようなオリジナル機能を開発

――では、「Proactive AI」とはどのようなツールなのか、教えてください。

佐藤:はい。「Proactive AI」は、リアル店舗でのお客様とのやり取りを、オンライン上で実現するチャットボット型接客ツールです。 

 特徴的な機能として、ユーザーが欲しい商品を検索すると最適な商品を表示する「対話型商品検索」や、ユーザーがサイトを離脱する前に先回りして声掛けをする「プロアクティブサポート」、よくある問い合わせに自動で回答する「問い合わせ自動応答」があります。今回「ワインすき!」ではこの3つの機能をフルでご利用いただいています。さらに“インテント検索”という機能も導入いただきました。

――“インテント検索”は、具体的にどのような機能ですか?

インテント検索 イメージ画面
インテント検索 イメージ画面

佐藤一問一答ではなく、ユーザーがチャットボットと対話しながら商品を絞り込み、検索できる機能です。たとえば、ユーザーが「ワインを紹介して」と話しかけると、目的・予算・種類の選択肢が表示されます。この中からユーザーがワインを選ぶ条件として重視するものを選択すると、続けてユーザーのニーズを深掘りする質問をいくつか何問か繰り返し、最適な商品を提案することができます。ワインソムリエに相談するようなやり取りをWebサイトでも行えるとイメージするとわかりやすいと思います。

――特にこだわったことはありますか?

寺田:このインテント検索機能を含め、ワインを提案する部分は、導入に際し最もこだわりました。ワインは種類も価格もとにかく豊富なので、選ぶのが難しそうというイメージをお持ちの方も沢山いるはずです。ワインに特別詳しくない方でもわかりやすい質問からニーズを引き出して、ぴったりなワインを提案できるように、提案するまでの最適なプロセスを探りました。

 具体的には、ワインは好きだけど詳しくない社員を集めて座談会を開き、普段どのような条件でワインを選んでいるかについてヒアリングを実施しました。すると彼らがワインを購入する時に条件とする内容や、その優先順位が見えてきたので、そのプロセスをインテント検索に反映させています。今後は実際にユーザーがインテント検索を使用した結果を分析して、精度のブラッシュアップを行っていきます。

――導入の際は、他社のチャットボットとも比較されましたか?

寺田:はい。数社からお話を聞き、こちらの要求事項に応えられているかをベースに、付加機能、コストなどから比較検討を行いました。ALBERTさんは弊社の要求に全て応えて下さったことももちろんですが、インテント検索機能のようにカスタイマイズの自由度が高かった点が決め手となりました。また、こんなこともできますよ、もっとこんなこともやってみたいです!といった感じで、熱量も感じました。

――柔軟なカスタマイズを実現できる理由はなんですか?

佐藤:弊社は、分析力をコアに事業を展開しています。またアナリスト、エンジニアの両方が社内にいることにより、分析した内容を一気通貫でシステム化できることも大きな特長です。自然言語処理のエンジンも自社開発していますので、カスタマイズなどの対応も自社内で柔軟に行うことができます。

――「Proactive AI」導入にあたって、必要なデータや作業にはどのようなものがありましたか?

佐藤:データとして提供いただいたのは、CRMデータのみです。ワインやレシピの商品情報はWeb上でタグを導入いただければ、商品データを自動収集します。

寺田:我々が行ったのは、各ワインに対して、ユーザーにヒアリングする項目のタグを付けていくことです。この作業でレコメンドの精度が変わってくるので、徹底して取り組みましたね。苦心したのはこの点くらいで、その他の部分はメンテナンス画面で簡単に修正できますし、レポーティング機能も充実していて、ダッシュボードで随時分析することも可能です。とても扱いやすいツールですね。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/03/19 18:32 https://markezine.jp/article/detail/27261

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