デジタル施策とアナログ施策の強みを整理する
ここでデジタルとアナログの得意不得意をまとめると、デジタルは広く浅い接点作りに長けており、設定に基づいてシナリオを実行するのが得意な一方、顧客体験にインパクトを与えることは不得意だ。アナログは、狭く深い接点を作ることができ、対話によって説得できるのが長所だが、自動化はできないため、コストは高く、対象を広げることは難しい。両者をうまく組み合わせることが重要なのだ。
「当社も今年2月にイベントを開催したところ、今まで『シャノンってセミナー管理システムの会社だよね』と思ってらっしゃった方へ、『実はマーケティング全般の課題解決も行っているのだ』というメッセージを伝えることができました。今までのデジタル情報の発信だけではなし得なかった、イメージチェンジに成功したのです」(中村氏)
アナログの上手な組み合わせ方とは?
続いて中村氏は、デジタル施策にアナログ施策をプラスした、あるクライアント事例も紹介した。Facebookでリード獲得施策を行い、そのリードに対してMAでシナリオメールを送ってコミュニケーションを取り、興味のある人へアプローチする場合、アナログ施策はどのように活用できるだろうか。
「Facebookは広く浅く接点が取れますが、それだけだと、もともと自社製品のことをあまり知らない方には響かない。なので、たとえばシナリオメールを送ったあとにセミナーを開催すると効果的です」(中村氏)
シナリオメールを送りセミナーへ送客した後で、ウェブサイトへのアクセスがあれば、インサイドセールスによる架電フォローをかける。
デジタルの施策だけでうまくいっているならば、アナログにコストを掛ける必要はないが、成果が挙がっていないようであれば、このようにアナログの施策を追加するのが有効なのだ。
次に、展示会で名刺を集めたり、参加証のバーコードを読んだりしてリード獲得しているけれども案件化が進まない場合をかんがえてみましょう。アナログ中心の状態で、デジタルを追加していくケースですね。
業種業態や規模や課題といったリードの特性に合わせて、MAによるシナリオメールを配信します。ウェブサイトの来訪につながれば、どのページを見ているかによってスコアリングして関心度が高そうなリードは営業に通知し、マーケティング履歴をふまえた営業フォローを行うとよいでしょう。
ちなみに、シャノンのマーケティングプラットフォームは、デジタルとアナログにまたがった施策をシームレスに実行できるように構成されている。一般的なMAによる機能に加え、セミナーやイベントの来場管理、データクレンジングや、主要SFAとの連携、ゴール機能といった独自の機能を多彩に備えているので、シャノンのプライベートイベントにもぜひ足を運び詳細を知ってほしいと中村氏は語り、講演を締めくくった。