LINEで配信するのに最適な動画は?
――オプトは、動画領域に特化した専門部署も設けられていますよね。
竹内:はい、広告の運用においてクリエイティブが重要であることに関しては、異論の余地がありません。クライアントの事業ステージやサービスの内容によって、流すべき広告は異なります。どのようにユーザーの関心を引き寄せ、その後どのようなクリエイティブを見せれば良いのか。これに画一的なパターンはないのです。
弊社では、クライアントごとにクリエイティブの要素を細分化し、その研究・検証を繰り返しています。これを専門的に行うのが、我々コンサルタント組織とは別に組成されているダイレクトクリエイティブパフォーマンス室という組織です。我々は、彼らと一緒に広告施策のPDCAを回しながら、それぞれのクライアントに最適な動画クリエイティブを模索し続けています。
――LAPで配信する動画広告は、どのようなものが効果的なのか、その傾向を教えてください。
野嶋:LINE内に配信する動画広告の大きな特徴として、クリック課金ではないという点があります。LINEはインプレッションベースで出稿価格が決まるので、クリックされてもされなくても、コストは同じだけかかるという仕組みになっているんです。
ですから、いかにしてクリックしてもらえるかが重要になります。他のメディアの動画を流用してクリックされなければパフォーマンスが見合わないので。
――なるほど。まずはユーザーにクリックさせる重要性が、他メディアよりも高いのですね。
野嶋:ダイレクトクリエイティブパフォーマンス室では、LINEでクリックされやすい動画はどのようなものなのか、動画の長さや内容などを詳細に分析しています。
たとえばゲームアプリを訴求する動画広告では、登場するキャラクターの性別や持っている武器の種類、どこでどんなシーンを入れるかなど、たった15秒程度の動画ですが非常に細かく研究しています。これは社内の連携がうまくできているからこそできることですね。スキルや知見の蓄積において専門性を高めるために、設置した各組織が連携することによって、LAPの効果と弊社の技術を最大限に活用できると考えています。
金融業界でも高まるLAP需要
――塩田さんはどういった業種のクライアントを担当なさっているのですか?
塩田:私が担当しているのは、金融業界です。金融業界では、アプリに紐づけたターゲティングはできませんが、マーケティング予算ではLINEが大きな比率を占めているクライアントもいます。
これは、効率性とコンバージョンの件数というKPIにおいて、他のメディアよりも圧倒的にパフォーマンスが良いからでしょう。成功しているケースを見てみると、リターゲティングから成果を上げている企業が多いですね。また、コンバージョンしたユーザーのセグメント情報から類似ターゲティングをすることで、良い結果が出ています。
竹内:加えて配信面の拡張は、LINEにしかない特徴ですね。最近もLINEマンガやLINEブログへの配信可能になりましたが、LINEファミリーアプリに配信面が拡張していくのはとても面白いと思います。
配信面が拡張する度にリーチできるユーザーも拡大するので、金融業界で継続的にLINE広告で良いパフォーマンスを出し続けるクライアントが多いのは、こういった面の拡張性という理由もあるのだと思います。