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SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

「72時間ホンネテレビ」の価値は“視聴数”だけじゃない、絶大だったソーシャルメディア上での話題量

「紅白歌合戦」「24時間テレビ」をはるかに凌ぐ、SNSでの話題量

 「72時間ホンネテレビ」のエンゲージメント数は、実際どのくらいすごかったのか。検証をわかりやすくするために、夏の風物詩としてお茶の間に定着している日本テレビの「24時間テレビ」、年間最高視聴率番組としてお馴染みのNHK「紅白歌合戦」のエンゲージメント数と比較してみました。

 以下が3つの番組の「エンゲージメント数」、「掲載サイト記事数」、「SNS投稿数(Facebook/Twitter)」です。

 

※出典:株式会社スパイスボックス自社ツール集計
計測期間:72時間ホンネテレビ(放送日:2017年11月2日~11月5日)
24時間テレビ(放送日:2017年8月26日~8月27日)
紅白歌合戦(放送日:2016年12月31日)の放送日の事前1ヵ月から事後1ヵ月
「24時間テレビ」「72時間ホンネテレビ」「紅白歌合戦」各番組名(揺らぎワード含む)で調査

 エンゲージメント数の比較では、「24時間テレビ」のエンゲージメント数が400万強なのに対して、「72時間ホンネテレビ」は1,480万強のエンゲージメント数と3倍以上のスコアとなっています。これは、2016年の年間最高視聴率番組「紅白歌合戦」と比較しても2倍近いスコアです。

※出典:株式会社スパイスボックス自社ツール集計
計測期間、方法は上に同じ

 

 特筆すべきは、圧倒的なSNSの投稿数です。「72時間ホンネテレビ」に関するSNSでの投稿は435万を超えており、「24時間テレビ」「紅白歌合戦」を圧倒しています。

 ニュースサイトやブログで取り上げられるWebサイト記事掲載数は「24時間テレビ」「紅白歌合戦」のほうが多いにもかかわらず、「72時間ホンネテレビ」がSNS上の投稿数で圧倒したことが高いエンゲージメント数につながったと分析できます。

「視聴“者”数」は、エンゲージメント数に比例しない

 昨年の「紅白歌合戦」第2部の番組平均視聴率は40.2%で、2017年の「24時間テレビ」も過去2番目に多い番組平均視聴率18.6%でした。テレビ視聴率から「実際の視聴者数」を算出する方法に関しては、厳密なやり方がある訳ではありませんが、ビデオリサーチが発表している「視聴率1%当たりの世帯数」などを参考に算出することができます。

 日本の世帯数は約5,340万世帯、1世帯当たり人数は平均2.38人(平成27年国勢調査)のため、『「世帯視聴率1%=495,663世帯」×「1世帯当たり平均2.38人」』が視聴率1%当たりの視聴者数となります。そうした数字から視聴率18.6%の「24時間テレビ」の視聴者数を割り出すと約2,194万人。視聴率40.2%の「紅白歌合戦」の視聴者数は約4,742万人となります。

 「72時間ホンネテレビ」の視聴者数については様々な計算ロジックで推測されていますが、サイバーエージェントの藤田社長が自身のインタビューで視聴者数は1,000万に達していないと話している(※)ことから、「24時間テレビ」や「紅白歌合戦」の半数に満たない視聴者数であったことは明らかでしょう。

 ※出典:Business Insider Japan「ホンネテレビ手応えから200億赤字の意味まで…藤田晋社長アベマTVの全てを語る」https://www.businessinsider.jp/post-107058

 ここで注目したいのは、視聴者数がエンゲージメント数にまったく比例していないということです。「72時間ホンネテレビ」は国民的テレビ番組である「紅白歌合戦」「24時間テレビ」と比較して、ソーシャルメディア上での評判形成という側面では非常に高いパフォーマンスを発揮していたといえます。

次のページ
出演者のSNS投稿がエンゲージメントの源

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この記事の著者

物延 秀(モノノベシュウ)

スパイスボックス 副社長。2006年スパイスボックス入社。プロデューサーとして大手企業のデジタル・コミュニケーションをワンストップで支援し、2012年以降はソーシャルメディアを中心とした「共感」と「話題」を生むコンテンツのプランニングとプロデュース、自社ソリューション開発を統括。2016年に事業統括責任者および執行役員に就任。2017年より現職。自社サービス:インフルエンサーマーケティング支援「TELLER」、コンテンツマーケティング支援「BRAND SHARE」、ROI分析プラットフォーム「THINK」、自社メディア:「newStory」自著:『新ヒットの方程式』~ソーシャルメディア時代は、「モノ」を売るな「共感」を売れ!~(宝島社)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/30 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27537

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