タグの一括管理と施策連携、URLパラメーター設計
最後にデジタル広告の効果計測や、Web解析などマーケティングツールと連携するにあたり必須な「タグマネジャーの活用とデータ連携」「URLパラメーター設計」の2つについて解説します。
タグの一括管理と施策連携
自社サイト上にそれぞれ連携したいソリューションのタグを実装することで、デジタル広告の効果計測に限らず、Webサイト内の行動データやレコメンドエンジンとの連携などが可能です。
たかがタグと思われるかもしれませが、タグの実装方法やカスタマイズ方法、取得データの取り扱いに関して社内共有されておらずトラブルが発生しているのが実態です。さらに、タグを管理する管理者の不在や、タグを設定したエンジニアや担当者の離職による事業機会の損失も少なくありません。
後追いでWebサイトに広告のトラッキングタグやコンバージョンタグ、Web解析ツールの計測タグなど随時追加実装を実施するのではなく、最初から目的を定めることがポイントです。
まずは誰が管理するのか、タグ設置の実装方法、カスタマイズの方法、取得データの取り扱い方法など自社内で役割とタスクを明確にします。次に複数のタグを一括管理するためタグマネジャー(タグマネジメントツール)の共通タグを、サイト内に設置すれば各種施策との連携や作業工数の軽減を図れるなどメリットが生まれます。
また、サイト上で取得できる「流入元」「顧客ID」「訪問回数」「滞在時間」などサイト訪問者の行動データにタグの作動(発火)条件をタグマネジャー上で実装し運用を行うことで、ターゲティングの精度向上や施策の改善につなげることが可能です。

URLパラメーター設計
Web解析ツールや広告効果測定ツールなど、サードパーティーのツールを利用する場合にランディングページ先のURLに計測用のパラメーター(識別子)を付与することで効果計測が可能です。
パラメーターを設定することで、どのメディアのどの広告クリエイティブのパフォーマンスが良かったのか効果を把握することができます。
パラメーター設計時に「?」「&」「#」の正しい使い方がされていない場合や、パラメーターに日本語を使い日本語表記のままでエンコードされていない場合は、正しい効果計測を実施することができません。

また、正しいパラメーター設計が行われていない場合、広告掲載できたとしても効果計測ができない場合や計測ツールのリダイレクトの問題で広告をクリックしてもデットリンク(リンク切れ)となり、機会損失やブランドイメージの毀損につながります。そのためタグの管理とあわせて、パラメーター設計も自社のナレッジとして蓄積し運用管理していくことが大切です。
次回は、これまでの連載内容を踏まえて、デジタル広告のPDCAを回すために必要とされる「広告効果指標」「広告分析に必要なデータの見方」について解説します。