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COLUMN

あなたは気づいているか?2018年マーケターが捉えなければならない5つの潮流

5:ブランドのあり方が変わった

 生活者が購入する理由として「インスタ映え」や「シェアできる」の影響力が強まっている。

 人によってシェアする先がFacebookになるかTwitterになるかInstagramになるかの違いはあるが、こういった欲求を消費で満たそうとする気持ちが出てきたのは間違いない。しかし、今企業が行っているインスタグラマーを起用したプロモーション活動は、広告出稿行為をインスタグラマーに置き換えただけに過ぎない。これらの変化への解決策はインスタグラマーへの置き換えでは解決できないのだ。

 本質は生活者自体が購入を通じた商品の利用体験のみならず、「自分の好きなものを周りに伝えたい(表明したい)」「自分の好きな人から勧められたものを買いたい・試したい(追体験したい)」「購入行為そのものをシェアしたい(投稿ネタとして活用したい)」などの表れだからだ。

 ソーシャルメディア登場以前には表面化しにくかった購入理由や購入欲求があふれる世の中になった。こうなると、ブランドは購入者以外にその周りの生活者をも気にする必要が出てくる。

 そのブランドは、購入者がソーシャルメディアで好きと表明したくなるブランドなのか。友人に好きだと表明するのが恥ずかしくて投稿を躊躇うものでは購入自体を躊躇わせてしまう。

 ラグジュアリーブランドでは、以前から購入者以外にも購入者の周りの友人・フォロワーに対してもブランドのコミュニケーション活動を行っている。そのブランドの購入者が読まないような雑誌でも、購入者の周りの友人・フォロワーが読んでいるのであれば適切な印象を構築する必要があるのだ。

 こうした活動から、そのブランドを躊躇なく購入し、満足するとともに購入経験やブランドへの好意を表明してもらうことが可能となる。ブランドのコミュニケーション対象は購入者だけではない。その視点が重要だ。

まとめ:2018年そして未来への扉

 あなたが宣伝部員や広告在庫だけを買う購買部ではなく、マーケターやビジネスマンであればこの記事から世の中の変化を感じ、ビックチャンスと捉えることができたのではないだろうか。

 これからのマーケターに重要なのは自らビジネスを創る力である。

 こらからのマーケターは、生活者の商品の購入理由の解明やその購入理由の核となる生活者の抱える課題の発見、ビジネス規模の見極め、その課題を認識してもらうためのコミュニケーション内容と方法の確立および、商品の便益を強化すべきだ。

 さらに、大きな課題の一つである支払い負担を解決するサブスクリプションなど新たなビジネスモデルへの対応、顧客時間、顧客体験、顧客体験価値の設計など自分が業務で関わる範囲を拡大すべきである。今までの「宣伝活動」では、生活者の消費動向を捉えきれないばかりか、最悪の場合は生活者への関与ができなくなってしまう未来がすぐそこまで迫っている。

 自分の経験を振り返ってみると、改めてスタートアップ経営者としての経験とマーケターとしての経験が重なることを強く感じた。生活者にとっての有益な商品やサービスを生み出す部分で大いに共通点がある。

 マーケターが「目的を持たず走り回る犬」のような存在にならないためには、ビジネスそのものへのオーナーシップを持つ必要がある。

 目的を達成するために、ここまで書いてきた多くの変化から生まれる機会を活かそう。そして今年の干支である「万人に愛される犬」のように、あなたが全員から求められる存在となり今年を終えられることを願う。

 変化はチャンスなのだから。

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この記事の著者

菅原 健一(スガワラ ケンイチ)

株式会社Moonshot 代表取締役 CEO

企業の10倍成長のためのアドバイザー。社会や企業内に存在する「難しい問題を解く」専門家。クライアント10社、エンジェル投資先20社の計30社のプロジェクトを並行して進める。過去に取締役CMOで参画した企業をKDDI子会社へ売却しそのまま経営継続し売り上げを数百億規模へ成長。スマートニュース...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27718

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