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第106号(2024年10月号)
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キャンペーンへのリマインドメール開封率は60%に

 2つ目は、アップセルを目的としたキャンペーンの告知だ。キャンペーンにエントリーしてキャンペーン期間中に買い回りをすると、購入金額5,000円~上限5万円の各段階に応じてポイントが得られる「たま~るキャンペーン」について、エントリー済みのユーザーへプッシュした。この際、購入5,000円未満の人にはその旨と購入のきっかけとなるよう特別クーポンを送付、一方既に上限5万円を超えている人にはポイントの追加はないが、さらなる購入を促すためこちらも特別クーポンを送付した。すると全体で開封率30%、CVRは12%に。対象者に送付したクーポンを利用した売上は数千万円に上り、キャンペーン全体の目標もクリアした。

 3つ目は、告知や購買促進以外のフォローメールだ。たとえばキャンペーン参加の条件がもう少しで足りる人への案内や、レビューを書けばポイントがもらえる人へのお知らせなどがある。最近では、SIMフリー端末の購入と格安SIM契約に関するキャッシュバックキャンペーンを該当者にリマインドしたところ、開封率は60%に。さらに、端末購入者の大半がSIM契約にも至り、最大設定額のキャッシュバックを獲得した形となった。

 こうした多岐にわたるキャンペーンが月に数本動いており、常時10本前後のパーソナライズメールのシナリオが走っている。これを、向田氏をはじめコマース担当チーム内のディレクターとデザイナー、計3人で運用している。

Audience Builder機能でターゲット抽出が一瞬に

 目的も対象者も多種多様なターゲティングメールをこれだけ出し分けられるのは、ツールがあるからこそだ。ちなみに同社はMarketing Cloudを現在、ショッピング以外でも映像配信サービスや、電子書籍、オンラインで趣味のレッスンを提供するサービスなどで活用、成果を上げている。

 コマース担当チームでは、Marketing Cloudによってかねてからの運用負荷が解消され、まず配信の量とスピードが増したという。制作の面でも、テンプレートをうまく使うことで手間が大幅に省ける上、PDCAを回してクリエイティブも随時変更し、チューニングすることが可能になった。

 さらに現在は、プラスアルファの動きを強めている最中だ。そのひとつが、昨年夏、ターゲットをさらに簡単に抽出できる機能「Audience Builder」を追加したこと。ターゲットを絞り込んだアプローチは効果が高いものの、タイミングを逃すとまったく意味がなくなってしまうため、スピード感が欠かせない。向田氏はMarketing Cloudの導入以降、キャンペーンの企画からパーソナライズメールのシナリオ考案と原稿執筆、配信まで、早くて3~4週間で行っていたというが、「それでも『もっとできるのでは』という感があった」と話す。

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この記事の著者

加藤 希尊(カトウ ミコト)

チーターデジタル株式会社 副社長 兼 CMO
広告代理店と広告主、BtoCとBtoB両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。WPPグループに12年勤務し、化粧品やITなど、14業種において100以上のマーケティング施策を展開。2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画し、日本におけるマーケティングオートメ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/17 10:00 https://markezine.jp/article/detail/28075

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