注目すべき、その技術力
続けて、小林氏はTIGの技術面について説明した。
「現在は動画内の物体に対してのタグ付け作業は作業者が編集ツールを使って作業を行っています。また今後、動画内の動き続ける対象物を指定するだけでメタ情報を付与し、対象物がどんなに移動してもシステムが自動的に追従し、正しいメタ情報を表示させるように開発を進めています」(小林氏)
技術紹介を兼ねたデモ動画では、TIG化された遠くに走る車が手前へ近づき、見た目が大きくなったとしても追従が外れないことを示した。さらに、大きく曲がる・Uターンして停車するという動きの変化も追いかけていく。
またTIGは対象物の奥行きも把握し、別々の物として扱える。たとえば白いシャツの上にジャケットを羽織っている人物がいた場合、シャツとジャケットに情報を付与することができる。
さらにTIGの特長として、0.1秒ごとにデータ収集と分析を行っている点が挙げられる。主に収集しているデータは以下の4つだ。
・ユニーク再生回数
・TIGが設定されている部分へのタップ数
・ストックエリアへのストック回数
・指定URLへの表示回数
さらに、画面に触れている行動すべてのデータを取得し分析することができるという。
「たとえば、動画のどの部分をタッチしているかをヒートマップで再生することも可能です。タッチが多い部分は赤く表示され、ユーザーの指の動きが直感的にわかります」(小林氏)
主要SNS上での再生、タッチも可能
ここまでTIGの概要、そして技術が紹介された。小林氏はTIGの実際の活用方法についてプレゼンを進めた。パロニムでは、2つのTIGサービスモデルを用意して、導入企業の幅広い活用を可能にしている。
1つ目のプラットフォーム利用モデルは、パロニムの持つTIGサーバーを利用するタイプの導入モデル。専用のCMSから、TIG化したい動画とタッチしたときに表示されるサムネイルやリンク先などの設定を行い、TIGの編集システムに登録。すると中1日ほどでTIG配信サーバーにTIG化された動画がアップされ、公開URLが発行される。
TIG動画は専用のサービスアプリだけでなく、Twitter、Facebook、LINEといった主要SNS内での再生およびタッチができる。Instagramも広告フィード内であれば同様に配信が可能だ。さらに、PCなどタッチパネルの機能がないデバイスでも、ポインターの操作で「TIGる」が体験できる。
2つ目のライセンスモデルは、利用企業のシステムにTIGの技術を提供するものだ。サーバーからエディターツール、SDK、他メディアのプラグインツールまで用意し、「あらゆるシステムに対応できるよう開発を続けている」と小林氏は話した。