評価指標の違いが混乱の原因
この記事を読まれている方にとって、どちらかというと馴染み深いのはCPMやCTRというオンライン広告の指標でしょう。これは、いわゆる費用対効果を図る指標として、100万という数字に対する効果をどのように見るか、とかアクセス誘引に対する貢献度合いとしてクリック率からコスト効率を見るという指標と言えると思います。
しかし、オフライン広告の場合、そのようなシステム的なデータによる個別の指標は計りにくい。そのため、大手の広告会社はさまざまな指標を使って図ろうとしているわけです。たとえば、媒体者(新聞社や雑誌社)などが公表している発行部数や調査などから得られる閲読率という指標。雑誌の閲読率というのは、世の中に売られている数(発行部数)に対して、どのくらい「読まれているか」ということを評価の基準とするもの。
オンラインの広告では、インプレッションということになるのでしょうか。新聞の場合であれば指標となるのは発行部数。テレビは視聴率ということになります。このように、それぞれの媒体は異なる指標を持っていますのです。しかし、ここで一番問題になるのは、テレビや新聞、雑誌、ラジオといういわゆるマス4媒体は歴史も古く、既に広告としてのスキームが出来上がっているために、それぞれの相関をはかり、共通指標として評価することができるようになっています。そして、それらを統合して、リーチ曲線(どのくらい広告が届くかをグラフ化したもの)を描いたりして評価します。
オフライン広告の場合は、オンラインと異なり、一方的な情報の到達ということまでしか図ることができず、クリック率などのアクションに対する評価は取りようがありません。広告展開後にアンケート調査などにより、「この情報を何によってお知りになりましたか?」というような効果測定をすることはできても、ダイレクトに正確な数字を把握することはできないわけです。そこで、広告展開をプランニングする際には、媒体の価値(それぞれにどんな効果が得られるか)を判断するときの効果の基準が全く違ってきてしまうと言うことになるのです。
媒体効果の評価指標TV:GRP(グロス レーティング ポイント)という指標で評価
いわゆる視聴率。まず、世帯視聴率といわれる、一家に一台的な考え方でそのTVでは、どんな番組が見られたかというもの。それから個人視聴率というのも取れるようになっています。これは、何歳の人がどのくらいその番組を見ているか、男性か、女性かなどが取れるもの。
新聞:発行部数から到達率を計算
広告スペースの金額基準としては、段単価。つまり、新聞が縦書きブロックで横に一行を「一段」といい、新聞1ページは15段。見開きページ全部で30段ということになります。この賭けあわせで金額が決まります。
雑誌:公証の発行部数と実売数などで評価
また、「閲読率」という指標もあります。雑誌の場合は、新聞もそうですが、広告のページが目に触れない、という恐れがあるので表紙の表裏や目次に近いページなど、目に留まりやすいスペースは金額が高く設定されています。
ラジオ:聴取率という指標で評価
その番組がどれだけ聴かれたか。ということが指標となり、TVと同じように世の中にあるラジオの何パーセントがこの番組をつけていたかというのを計算する指標です。
インターネット:いろいろ
インプレッションとか、クリックとか、ユニークユーザ数とかアフィリエイトなんてのもあります。